こんにちは、中野です。
先日、パナソニック社のテレビCMを見ていて面白いことに気づきました。もしかすると私が気づくのが遅すぎなのかも知れませんが(笑)、さすが一流企業だと思った感動も含めてお話ししたいと思います。
それは、パナソニックが提案している「Jコンセプト」という家電のシリーズです。
テレビCMを見ている限り、子供が独立してまた2人になった夫婦の生活を豊かにするという思いが込められているような感じです。
調べてみると、3万人以上に調査をした結果、そこから見えてきたニーズを形にしたんだそうです。
私がテレビCMで見たのは、IHジャー炊飯器です。
2人分という少人数炊きでも、おいしく炊ける炊飯器です。確かにご飯というのは大きな釜でたくさんのお米を一気に炊いたほうが美味しいというのは半ば常識になっているので、夫婦2人だけになった家族には無縁のものになっていたわけです。
2人分でも美味しく炊ける炊飯器があったら・・・?というニーズを形にしたのが、この炊飯器なのでしょう。
その他にも、和食レシピをワンタッチで50種類も作れるオーブンレンジ、洗濯作業がしやすいように設計された縦型の洗濯機、などなど。
パナソニックほどの技術を持ったメーカーにとって、こういう家電を作ることは難しくないでしょう。
特に技術的に新しいことはしていないと思います。
むしろ、シンプルさを追求するために最新の家電より機能を落としているかも知れません。
それでもJコンセプトが注目されていて売れるというのは、パナソニック社のマーケティングが効いているからです。
マーケットの声に耳を傾けて、そこから見えてきたニーズに応えるものを作る。
ものづくりは今や、「良いものを作っていれば売れる」という時代ではなくなりました。
欲しいと思っているものを作る、これでもちょっと違う気がしませんか?
そこからさらに一歩進んで、消費者自身が欲しいと潜在的に思っているものを気づかせてあげて、そこに商品を売るという「提案」です。
さっきの炊飯器にも、そんな提案があふれています。
子供が巣立った後に残った、老夫婦のセカンドライフ。
せっかくまた気楽な身分になったんだから、色々と楽しみたい。そんな時に、2人分でも美味しく炊ける炊飯器で料理を楽しんでみませんか―。
そんな提案が多くの人に響く様子が想像できますよね。
これぞマーケティングの勝利、売れるものを作ったのではなく、売れる提案をしたのです。
これからもJコンセプトは次々と新しい商品を投入して、家電に新しい風を吹き込んでくれるでしょう。
変化の激しい外食産業にも、こんな提案が必要なのは言うまでもありません。これかでも選んで頂けるお店であるためには、これまでと同じではダメだということです。磯一グループのお店に来てもらえる理由を提案していく大切さを強く感じた、天晴れのテレビCMなのでした。