熱中症と学生スポーツの問題について

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こんにちは、中野です。

それにしても暑い日が続いていますね、ここまで来ると暑さは災害の一種だという指摘がありますが、まさにその通りだと思います。
普通に「暑い」というだけでは済まされないというのは、もはや人間の何らかの知恵がないと命が危険にさらされてしまうということなのですから、怖い時代になったものです。
これだけの暑さが続いていること、あることが問題になっています。

それは、高校野球開催の是非です。

夏の甲子園とも呼ばれる高校野球の全国大会は、8月の一番暑い時期に開催されます。しかも全国各地の球場がどんどんドーム球場化している中で、いまや珍しくなった青天球場である甲子園球場が舞台です。
白球・熱闘・光る汗というのは高校野球を形容する言葉として長らく使われてきましたが、これだけ暑いと、高校球児やスタンドで応援をしている学生たちの体が心配なるというわけです。
中には極論もあって、「もう夏の甲子園は開催しなくてもよいのではないか」という声まで飛び出すほどです。

これについて、私は思うところがあります。

確かに、これだけ暑いと甲子園球場といえども例外ではなく、そこで試合をしている人たちの健康状態が心配になるのは事実です。かなり綿密に対策をしないと、本当に何か起きてしまう可能性もあります。
しかし、高校野球に限らず学生スポーツと熱中症の問題がもっと重要になるのは試合よりも、練習です。甲子園球場で試合をしているのはせいぜい3時間程度ですが、練習は1日8時間というところも少なくなく、それが毎日続きます。それが夏であっても同じなので、試合よりも注意するべきは練習なのです。
逆に考えると、それだけの練習をしてこられた選手たちが、3時間程度の試合で倒れてしまう可能性は低いかも知れません。
当の高校球児たちに聞くと、これまで甲子園に出場することを夢見て少年野球から汗を流してきたのですから、それが「暑いからもうやめます」と言われて納得するでしょうか。
今時の高校野球は、強豪校などを中心にその後のプロ野球選手としてのキャリアを想定した選手の育成をしているところがたくさんあります。
その後のキャリアも考えてこれまで努力をしてきた人たちにとって重要なアピールの場を、野球や選手たちの気持ちをよく知らない人が勝手に「危ないからやめろ」というのは極論だと思います。
特に野球の試合は、自軍が攻撃中はベンチで休むことができます。そこにエアコンや扇風機など冷却装置を充実させてクールダウンをして、守備につく時には十分な水分補給をすることを義務付けるなど、できることはたくさんあるはずです。

この暑さがさらにひどくなるようであれば、甲子園球場のドーム化を検討する声もあるそうです。少々高校野球の雰囲気は変わってしまうかも知れませんが、それが選手や応援団の健康を守るためであれば、どんどんやるべきです。
子供が怪我をするから公園から遊具をなくす、事故の恐れがあるからイベントを中止するということが続いています。高校野球まで「暑いからやめます」というのでは、あまりに知恵がないと思うのです。

こういう時こそ大人が知恵を絞って、高校球児たちが安全に夢を追いかけることができる世の中にしたいものです。

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