東京オリンピックのエンブレム盗作騒動と志事の原点

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佐野研二郎 パクリ
こんにちは、中野です。
長かった夏休みも終わって、街を歩く人の服装が一変しました。
あれだけ学生がたくさんいてた街から姿が消え、朝と夕方は制服姿の学生がたくさん歩いているのを見ると、新学期が始まったことを実感させてくれます。

そんな新学期一発目、世の中を駆け巡ったニュースがあります。
そうです、あの東京オリンピックのマークが盗作だというアレです。
あの騒動が起きて以降、それはもう出るわ出るわ過去の「前科」たち。さすがにこれだけ著名なデザイナーなので、やっかみ半分もあって挙げ足を取ってるのもあるやろうと思って見ていたのですが、過去の盗作疑惑を見ると、さすがにアレは・・・。
私はデザインの世界に詳しいわけではありませんが、あれはさすがにアウトでしょう。
そして遂に、東京オリンピックのエンブレムまで取り下げて仕切り直しになったとか。
逆に考えると、これまで東京オリンピックの準備をしてきた人たちの仕事というのは、全てやり直しになったわけです。いったいどんな仕事をしていたのやらとため息が出るような騒動です。
騒動の渦中にあるデザイナーの佐野研二郎さんという人は、これまでにたくさんの有名なデザイン案件を手がけて来た人なんですね。
私も色んなところで見たことのあるものがあったので、本当に大きな仕事を次々とやってきた人だったんです。

それが、ここに来てパクり騒動。
いったいなんでこうなっちゃったの??と首をかしげるひとも多いと思いますが、この問題の本質とか本人の心理のようなものを勝手に想像してみました。

どんな人も、最初からいい加減な仕事をしようとは思っていないはずです。
それは飲食業であっても、デザイン業であっても同じです。
志事に取り組んで結果を残して、もっと大きな志事をしたい!そう夢を描いてプロになった人ばかりです。
佐野さんも、きっとそうだったでしょう。
いえ、今もそれは変わっていないはず。

しかし、大きな仕事をして結果を残せば残すほど、次の仕事への期待値は高くなります。
磯一グループの食事がおいしいと思っていただいたお客様が再びお店に来ていただける時というのは、前と同じ、もしくはそれ以上の食事を期待されているはずなのと同じですね。
その期待に応え続けることが、私たちの仕事です。
佐野さんのデザインにも同じことが言えます。

たくさんの案件をこなすうちに、時間が足りない時、アイディアが足りない時など色々とうまくいかない時もあるでしょう。
しかし、デザインのようにモノ作りの世界というのは締め切りがあります。その締め切りまでに依頼者が満足するようなものを創り上げるのがプロと言ってしまえばそれまでですが、それがいかに大変なことであるかは、私にも何となく分かります。

そんな時、一緒に仕事をしているスタッフや関係者が「こんなのどうでしょう?」と持って来たデザインがよくできていたら、それを使いたくなるでしょう。
しかし、それが「どこかにあったデザイン」だとしても、それを確認する時間や精神的な余裕が無かったということもあったと思うんです。
磯一グループには看板メニューがたくさんあります。お客様の多くはそれを期待されて来店していただいていますが、不漁が続いて良い材料がなかなか手に入らない日が続いたとしたら、同じような感じで追い詰められるんじゃないかなと思います。
だからと言って産地偽装をしたり、いい加減なものを仕入れるということは到底できません。したとしてもすぐにバレるでしょう。しかし、デザインの世界は過去の作品であったり無名なデザイナーのものであればバレないということはあると思います。
事実、今回のパクり疑惑も騒動になるまでバレていなかったのですから。

それが東京オリンピックのエンブレム騒動を引き金に他のものまでバレてしまったというのは、本人からすれば不運だったと思っているかも知れません。
こんなの業界ではよくあること、くらいに思っているかも知れませんよね。
しかし、やはりデザイナーにとっての志事という原点に立ち返って考えると、やはりパクリと言われても仕方ないほど酷似していますし、過去の「前科」を見ても怪しいと思われるものがたくさんあります。
本人もそれを認めて取り下げたものがあるということは、これ以上言い逃れできないと思っているのでしょう。

自分にできることを全力で取り組むという志事の原点を大切にするということいかに大切か、それを小手先でごまかしてもいつか自分に倍返しされてしまうということを改めて痛感させられる一連の騒動だと思いました。

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