こんにちは、中野です。
いよいよ秋本番になってきて、朝晩はすっかり涼しくなりました。
色々な秋がある中で食欲の秋という言葉があるように、この時期は年末にかけて外食産業にとっての重要な時期となります。
そんな大切な時期に報道されたニュースの中で、多くの外食産業関係者の関心を引いたのが、ワタミの苦戦です。
ワタミと言えば、「和民」というブランドの居酒屋チェーンで全国区になった、居酒屋の巨人です。
コンセプトから何からパクった居酒屋チェーンも登場するなど、存在感、注目度、そして売上げ的にも文句なしの王者でした。
そのワタミが、多額の赤字決算となりました。
以前からワタミの苦戦は知られていましたが、改めてそれが決算でも裏付けられた形です。しかもその苦戦ぶりが改善しておらず、引き続き苦しい経営が続くことを予感させる決算内容でした。
この理由について、色々と指摘されていることがあります。
まず頭に浮かぶのが、過労死など労働環境の悪さが明るみに出たというマイナスイメージ。かなり大々的に報道されたので、このニュースがワタミグループの人材確保をどれだけ困難にしたかは、想像に難くありません。
それよりもさらに、最大の理由として挙げられているのが、総合型居酒屋の不振です。
総合型居酒屋というと、いわゆる何でもある居酒屋のことです。
和洋中はもちろん、スイーツまで何でもあるので、色々な食べ物の好みの人が集まっても困らないというメリットがあります。
しかも、ワタミはスケールメリットをいかして総合的なメニューを安く提供するという戦略で大成功をしました。
デパートの食堂がかつて家族で食べる外食の定番だったように、居酒屋の定番になったことがワタミの大きな強みでした。
しかし、時代は変わって価値観が多様化する時代を迎えました。
外食に高い付加価値を求める人が多くなって、何でもありますというよりも、ウチにはこれしかありません、しかし他店には負けませんという飲食店が好まれるようになります。
つまり、そもそも総合型居酒屋に行く人の数が減ったのです。
しかも、低価格を売りにしているお店は他にもたくさん新手のチェーン店が登場しました。均一価格を売りにしている低価格路線の居酒屋が繁盛しているのは、外食に使える金額の変化をうまく捉えたからだと思います。
低価格路線以外の業態となると、特定の分野に特化した居酒屋がお客さんを集めています。
手前味噌ですが、磯一グループもそうですね。
海鮮居酒屋というジャンルに特化して、高い付加価値をご提供することで多くのお客様に来ていただいています。
これからの居酒屋・・・いえ、外食は、外食するからには何か特別な体験をしたいというニーズに応えるのがポイントだと思います。
このこと自体は古くから言われていることですが、お客様の目が肥えてきている以上、ますますその傾向が強くなっていくでしょう。磯一グループは、そんな時代のニーズにしっかりとお応えしていくことで、これからも多くのお客様に来ていただけるお店にしていきたいですね。