大博打に出たシャープが教えてくれているもの

LINEで送る

シャープの大ばくち

こんにちは、中野です。
今年は新年早々、なんでこんなにニュースが多いのかと思うほど大きなニュースが目白押しです。
海外の大事件、国内の大事件、そして芸能ニュースに至るまで話題は尽きませんが、ジワジワと進行しているために目立たないものの、実は大ニュースだと思うことがあります。
それは、家電大手のシャープに関する一連の報道です。

家電大手であり、太陽光発電や液晶モニター、空気清浄機など独特の技術を駆使して世界のトップに躍り出た大阪の大手企業が、いつの間にか身売りだの倒産寸前だのマイナス要素の強いニュースだらけになりました。
いったい、いつの間にこんなことになってしまったのでしょう?
同じ大阪に本拠地を構える私としても、興味を持たずにはいられません。

同業他社にはパナソニックや東芝、日立、ソニーなど大手メーカーがひしめく日本の家電業界。同じことをしていたのでは生き残れないと判断したシャープは、強みを持っている業種に経営資源を集中させるという戦略に出ます。
これは、シャープほどの規模を持つ企業がやることとしては大博打に近いものだと言えるでしょう。太陽光発電と液晶モニターについてはその博打が当たって、世界のトップに君臨した時期もありました。
堺浜には世界最大の液晶パネル工場がありますが、これは当時のシャープの勢いを感じるには十分すぎるスケールです。

しかし、そんな地位は長くは続きません。
太陽光発電はドイツやカナダ、中国などのメーカーに押され、液晶は韓国に押されてトップの座を奪われる事態となりました。
大博打に出た会社にとって、ひとたび当てが外れると脆さが出るもので、そこから先のシャープがたどってきた道については、ご存知の通りです。
液晶事業や複合機事業など、シャープが強みとしている事業を続々と売りに出し、ついには阿倍野にある本社ビルまで売りに出しました。跡地には家具の安売りで知られるニトリができるそうです。この跡地の使い方ひとつをとっても、時代の流れを感じますね。
台湾の大手メーカーから会社丸ごとの買収提案が出たりもしました。最終的には官民ファンドである産業革新機構からの支援を受けるか、もしくは台湾の大手メーカーである鴻海(ホンハイ)からの支援を受けるかという選択を迫られる形となり、条件の良かった鴻海を選ぶ方向で話が進んでいるようです。

選択と集中というのは企業経営の重要な決断のしどころです。
仮にそれがうまくいったとしても、それがずっと続く保証はどこにもないということを、シャープの事例は嫌というほど見せ付けています。
常にその時代に合った経営、サービス、商品を模索し続けないと、お客様には選んでもらえないのだと肝に銘じた次第です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA