現在の磯一という姿になるまで、色々な飲食店を経験してきました。そこから得られた「こんな居酒屋にしたかった」というイメージがあります。今回は、そのあたりのお話をしてみたいと思います。
まず、必要なのはお客様の目線です。自分だったら、どんな居酒屋だったら行きたくなるか?ここから考え始めました。昔の自分だったら、「どんな料理を出したいか?」という職人目線だったと思いますが、客様の目線を真っ先に考えられるようになったこのあたりにも、自分自身も仕事を通じて成長できた点だと思っています。
イメージをコンパクトにまとめると、割烹ほど気取らず居酒屋ほど砕けず、鮮魚は何処にも負けない海鮮料理の店、となります。
本当に誰でも気軽に入れる店にしたかったんです。自分も飲み食いが好きなのでよく分かるんですが、サラリーマンのおこずかいで月に何回外食できるだろうか?また、そこではいくら使えるだろうか?
そういうことを考えると、当然ながらおいしくて安い店で、なおかつ接客も含めて感動が得られる、人を元気に出来る価値のある飲食店という結論に至りました。
創業当初にこだわったことは、海鮮料理がメインでありながら1品あたり1000円以上のメニューは絶対に置かないことでした、お勘定を気にせず、安心して食事を楽しんで欲しいという思いがありますからね。お客さんの要望が強くなって、初めて伊勢海老、あわび等の高級食材も置くようになりましたが。
今でも一番大事にしていることは、店のある地域の人に、必要とされてるか?という一点です。