2023一文字アップ

今年の一文字は【決】

2023一文字アップ

磯一グループ、令和5年の一文字は【決】です。
色々な選択肢の中からこうしようと「決」心をして、「決」意を固め、「決」断して行動に移すという意味を込めました。
人生は決断の連続です。私がよく言う言葉に今ある現状は自分がやって来たことの結果、つまり今ある現状は自分が決断して来たことの結果でしかないのです。
全て自分がやって来たことの結果…私が書籍でも述べている原因自分論です。

当然会社としても同じことで、現状は今まで取り組んで来たことの結果です。
コロナという予測が出来ないようなことが起こりましたが、これももう3年が経過しました。
令和5年は、まさに今から結果が出る時です。

弊社もコロナになってからは色々と取り組んで来ましたが、今まで取り組んで来たことは当然同じように取り組んで頑張っていきたいと考えています。
ただ、それだけではこの先乗り越えれないようにも思いました。その瞬間、もっとチャレンジが出きる海外というジャンルに打って出ようと決断しました。

何度も言いますが、人生は決めることの連続です。
正しい判断かどうかは結果として現れますが、結果=原因、原因=原因、どちらからの目線も大事にしつつ、神様から与えられた人生と役割を理解して最高の決断をし、最高の結果を残し、そして最高の決断をしたと後々になって胸を張りたいと思います。

人生、一回きり。
だからこそ最高の判断を。
決める準備を日頃から意識して生きていきたいものですね。
全ては自分の為に、それが周りの人の幸せになるのですから。

これは、私の座右の銘のひとつです。
人生一度きり、やって後悔やらずに後悔天地の差!

この決断は間違ってなかったと思えるまで、やりきります!
皆様もやりきりましょうね!
私も頑張ります!

海外に向けて日本食の素晴らしさを最大限に伝えて、日本の飲食人の価値を高めていきたいと思います。
その為にも弊社スタッフ皆が成長するよう、広い視野を持って頑張って精進して参りますので皆様、今年も宜しくお願い申し上げます!

磯一グループ、令和4年の一文字は【改】

新年明けましておめでとうございます。

磯一グループ、令和4年の一文字は【改】です。

コロナ2年目を経験して思ったことは、全てに対して【改める】ということです。
今までの常識は非常識に変わろうとしているのではないか?ということを強く実感した1年でした。

勿論人としての本質的なところは不変と思いますが、時代の波に乗れるか?
つまり、世の中から必要とされていることにいち早く気付き、いち早く行動に移し、いち早く求められていること以上の結果を出すことではないでしょうか。
その為には常に問題点に気付き、すぐに【改善】することの繰り返しでしか結果は出ないと思います。

そして、もう一つが【改革】です!
これは、本質的な部分の改革です。
弊社の場合は飲食店(外食業)一本から、中食、内食へとチャレンジを続けています。
これを分かりやすく例えると、今までは一輪車でしたが、二輪車、三輪車、四輪車、つまり最後は車に乗って安心、安全の経営基盤を築くようにしようと今回のコロナ禍で痛感しました。

以上のことを前年度のテーマの何事も自分事の精神で達成しようと強く思います。
今年も私ともども、磯一グループをどうぞよろしくお願いいたします。
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令和3年の一文字は、「自」

磯一グループ、令和3年の一文字は「」です。

コロナという今までに経験したことが無い事態に襲われ、飲食業界は大打撃を受けました。
当然環境の変化に合わせて変えて行かなければいけないことは多々ありますが、その中で私が一番大事と思ったことが、

分事(当事者意識)でどれだけ観て、考えて、行動できるか!です。

これが原点に無いと正しい判断が出来ないからです。

何事もら考えて行動することで主体性が生まれて

立(他の助け、支配無しで一人で物事を行う)と
律(自分自身で立てた規範に従って行動する)が
然と出来るようになり、各自が人として成長し、そのことに
よって弊社の経営方針にもある、全員が経営者目線になれて、
意識レベルの高い最高の集団になれると思います。

コロナに勝つには成長しか無いです。
成長する為には、いかに当事者意識をもって自分事と思い、何事も自分事のように取り組めるか、そして思いの強さで全てが決まると思います。

2021一文字

令和2年度、一文字の志は「本」です

皆さん、新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

今年も磯一グループでは、一文字の志として漢字を設定しました。
この本という字には、実に多くの意味がありますね。下に画像も掲載しますが、何事に対しても「本物」を追求していく、そのために「本質」をとことん理解する、そして未来のあるべき姿として「本来」を明確にする、という3つの「本」が込められています。

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昨年、令和元年の一文字は「進」でした。その字にふさわしく新たに2店舗を出店して磯一グループを前に進めたのですが、いわゆる働き方改革によって磯一グループのビジネスモデルを維持することに苦労した部分もありました。労働時間を短縮しながら質を維持していくことの難しさを実感した一年だったので、今年もその課題に取り組んでいきたいと思います。

決して簡単なことではないからこそ、本質を大切にする。進むべき道を間違えないためにも本来あるべき姿を失わないようにする。そんな意味を込めて、今年も磯一グループは全員が一丸となって邁進していきたいと思います。

令和2年今年の一文字

AI(人工知能)は外食業界を変えるか

こんにちは、中野です。
今回は、最近やたら耳にするアレについてちょっと興味深い記事を見つけたので、それを交えて語ってみたいと思います。
そのアレとは、AI(人工知能)です。
人工知能そのものは昔からあるのに、最近やた見聞きすることが多くなったと思いませんか?
「人工知能が人間の仕事を奪う」
「人工知能で自動車は自動運転になる」
なんて話もよく聞きますし、さらにもっと進んで、
「人工知能がいずれ人間を超えて、人類を滅ぼす」なんてのもありますね。
ここまでくると扇情的すぎる気もしますが、実際のところはどうなんでしょう?
私がこの話題に興味を持ったのは、飲食業界にも人工知能やロボットの波が押し寄せているというニュースがあったからです。
ご存知の方も多いと思いますが、外食産業はひとつの岐路に立たされています。
人口減少による市場規模の縮小や過当競争など、これからはその競争がもっと激しくなっていくでしょう。
ただでさえ生き残るのが難しい世界なので、それがもっと顕著になることでしょう。
では、話を人工知能に戻しましょう。
最近、外食産業は深刻な人手不足が続いています。コンビニなどの流通業界も同じで、ファミレスやコンビニが24時間営業をやめる動きを見せているのも、それが理由です。
人手不足→人件費上昇→売り上げは横ばい→営業時間短縮・・・という流れは真っ当な経営判断とも言えます。
そこへきて、昨今の人工知能フィーバーです。飲食店のオーダーを取る業務や食事を提供する業務などを人工知能やロボットに代用できないか、というわけです。
ソフトバンクの人工知能ロボット「ペッパー」はすでに日本全国各地の飲食店で活躍しているので、決して絵空事ではありません。回転寿司のように機械化が進んでいる業態であれば、ほとんど人がいなくても営業できるような時代はすぐにやって来るかも知れませんね。
ただ、ここまでであれば人工知能でなくてもできることです。単純作業は機械の得意とするところなので、マクドナルドなどのハンバーガーショップなどでは完全ロボット型の店舗がどんどん増えています。
私が興味を持ったのは、そのさらに先です。
なんと、人工知能に接客だけでなく調理、店舗運営、さらには戦略立案まで任せようとする研究が進められているのです。ここまでくると、本当に人要らずですね。
人工知能が経営者となって飲食チェーンを経営・・・なんていうのはSFの話だと思っていましたが、ファストフードなどマニュアル化された業態であれば可能かも知れないと思ってしまいました。
さすがに私たち磯一グループの業態とはあまりそぐわないので、磯一グループ各店に人工知能の何かが導入されるというのは考えにくいですが、効率化できるところはどんどん効率化していくという流れは、これからも強まっていくということですね。

平成31年、一文字の志は「進」です

新年明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

実にいろいろなことがあった平成30年は終わり、無事に平成31年の幕開けとなりました。
ご存じのように平成31年は4月末までなので4か月しかないことがすでに確定していますが、それでも歴史に名を刻む「平成31年」であることに変わりはなく、新しい年を真摯な気持ちで迎えたいと思います。

磯一グループは毎年新年に際して「一文字の志」を設定し、その年の行動指針としています。平成31年は、「進」です。
平成28年から取り組んできたことが、すでに3年経過となります。それを受けて、これからどう進むのか、進化していくのか。5か年計画を立てて、その成果を形にしていきたいと考えています。

平成31年の一字

それにあたってのキーワードは、「見える化」です。
ビジネスの世界で「見える化」「可視化」という言葉で重要であるとされていることですが、私たちの目標を達成するのにあたっても重要なキーワードだと思います。
己を知るという古い言葉があります。己を知るには自分の良いところだけでなく悪いところもすべて「見える化」することから始まります。なぜなら、そうでないと正しい方向性を定めることができないからです。

平成31年の一文字の志

私が常々、「仕事」と「死事」の違いについて伝えているのも、同じ努力をするのであれば正しい方向性でないともったいないですし、正しい方向性を定めるには自分のことをしっかりと「見える化」する必要があります。
個人レベルでもそうなのですから、会社レベルではそれがもっと重要になるのは言うまでもありません。

磯一グループの良いところだけでなく、悪いところ、改善が必要なところ・・・それを全部「見える化」して、私たちはあるべき姿を見出していきたいと考えています。

平成31年がそのスタートとなるよう、あらゆる行動に意味を求めて前に進んでいきたいと思います。
どうぞ今年もよろしくお願いいたします。

ノウハウという形のない財産

こんにちは、中野です。

まだまだ暑い日が続いていますが、皆さん元気にお過ごしでしょうか。
先日、長期にわたって海外を旅してきた人に興味深い話を聞きました。そして、それに関する考えを書いてみたいと思います。
その人はさまざまな国を旅する中で、カンボジアのアンコールワットにも訪問したそうです。アンコールワットというと古代クメール文明の傑作とも言われる古代遺跡で、その緻密な設計やそれが今にも機能していることが世界から高い関心を呼び、一大観光地となっています。
ここまでは、ご存知の方も多いと思います。私が初耳だったのは、ここから先です。

アンコールワットはカンボジアとしても国の財産としてかなり大切にしています。国旗にもアンコールワットがあしらわれているほどの財産なんですが、なんとつい最近までこのアンコールワットを維持管理していたのは隣国のベトナムだったそうです。

何で???と思いますよね。

その理由は、カンボジアにアンコールワットほど重要かつ緻密な設計になっている建築物を管理する能力がないということだそうです。いわゆる人材不足です。

そこにはさらに恐ろしい理由があります。

カンボジアはほんの数十年前まで、ポル・ポト派と呼ばれる勢力が国を支配しており、その時代に国民の大虐殺がありました。原始時代のような共産主義の社会が正しいという思想だったので、知識人や教育を受けた人などを片っ端から処刑していった結果、残ったのはまったく教育がない人や子供だけでした。国民の3分の1にあたる300万人をそんな理由で虐殺したのですから、その恐ろしさが伝わってきます。
そんなポル・ポト政権が終わりと告げ、今はまだ変化の途上にあるとはいえポル・ポト政権よりはまともな政権となっていてめでたし、めでたし・・・とならないのが、この話の本題です。
政治は正常な状態に戻ったとはいえ、知識人や学のある人たちを片っ端から虐殺してまったく教育を受けていない人だけが残ったカンボジアは、世界有数の「ノウハウのない国」になってしまったのです。

教育というのは一度崩壊すると立て直すのに50年かかるといわれています。カンボジアは教育をまだ本当に取り戻せた状態とはいえず、教育を受けていない人が山のようにいます。
それゆえに、自分たちの国の世界遺産であるアンコールワットを、自分たちで維持管理できないということで、隣国のベトナムに依頼したわけです。

現在はカンボジア自身が管理しているそうですが、日本が皇居や大阪城などを自力で管理できず、中国や韓国に頼むようなものだと思うと、そのすごさがわかります。
やはり教育やノウハウというのは、目に見えないですが大きな財産です。それがあるかないかで国家の存亡にも関わるのですから、企業レベルでもそれはまったく同じです。

人が仕事のしかたを効率よく教わり、自分で考えて実践できる環境というのは企業の発展に欠かせないものでしょう。磯一グループもそれをやることで成長することができたのは間違いないので、これからも教育やノウハウの共有・継承という目に見えにくい取り組みを大切にしたいと思います。

スパルタ教育で人は伸びるか

こんにちは、中野です。

連日暑い日が続いていますが、皆さん熱中症などはくれぐれもご注意ください。
磯一グループ各店は空調ばっちり、よく冷えたビールをご用意してお待ちしておりますので、皆さまのご来店をお待ちしております!

さて、今回は人を育てる方法についての考察です。

最近あまり聞かれなくなりましたが、スパルタ教育という手法があります。
語源は古代ギリシャで行われていた過酷な教育手法のことだそうで、現代のスパルタ教育にも、同じような意味があります。優しく指導するというより、強権的に厳しく物事を教え込んでいくという考え方です。
最近の若い人には、こういうスパルタ教育は向いていないとよく言われます。会社の研修でも厳しいことをするとすぐに辞めてしまうというのも、今や常識になっています。

私は、現在のような風潮になる前からスパルタ教育にはほとんど効果がないと思ってきました。その思いは磯一グループでの社員教育にも反映しているので、厳しく強権的に教育をしたところで人が育つとは到底思えません。
もちろん食べ物を扱う現場なので、面白いことばかりではありません。安全上問題のあることをしている人には、それをしっかり理解してもらうために厳しさを前面に出す必要もあるでしょう。しかしそこには、その指導の中に相手を思いやる気持ちが込められていなければ伝わらないと思っています。
刃物の扱い方が危ないと思って指導をするのは、その人が怪我をしないためです。接客などで問題点がある時に指導をするのは、その人がお客様からお叱りを受けないためです。どれもその人が安全に成長していくために必要なもので、後になってから「あのときに言ってくれたことが生きている」と本人が感じられるようなものでなければなりません。
それが伝わったときに人は指導の本質に気づき、自分の頭で考えて成長していくのです。人が成長していくには、地道ですがこれしかないと思っています。

スパルタ教育は、その場その場をしのいでいくには効果的な方法かも知れません。強権的に教えていくので、指導される人は怒られないために物事を身につけていきますが、それが何のためのものなのか本質を理解していないので、「キツかった」「しんどかった」という感覚だけが残り、肝心なことは身についていないということがほとんどです。
それだと意味がありませんし、それでキツいと感じた人が辞めて職場を離れてしまったら、せっかくのキャリアアップも「ふりだしに戻る」になってしまいます。そんな誰もトクしないことを、磯一グループはやりません。

磯一グループから巣立ち、自分のお店を持っている元社員がたくさんいます。その人たちが口々に語るのは、磯一グループで身につけたことが今の立場になって生きているというものです。こう言ってもらえることが、私としては一番嬉しい瞬間です。

人が育つということは、会社として一番の財産が作られていくということなのです。

熱中症と学生スポーツの問題について

こんにちは、中野です。

それにしても暑い日が続いていますね、ここまで来ると暑さは災害の一種だという指摘がありますが、まさにその通りだと思います。
普通に「暑い」というだけでは済まされないというのは、もはや人間の何らかの知恵がないと命が危険にさらされてしまうということなのですから、怖い時代になったものです。
これだけの暑さが続いていること、あることが問題になっています。

それは、高校野球開催の是非です。

夏の甲子園とも呼ばれる高校野球の全国大会は、8月の一番暑い時期に開催されます。しかも全国各地の球場がどんどんドーム球場化している中で、いまや珍しくなった青天球場である甲子園球場が舞台です。
白球・熱闘・光る汗というのは高校野球を形容する言葉として長らく使われてきましたが、これだけ暑いと、高校球児やスタンドで応援をしている学生たちの体が心配なるというわけです。
中には極論もあって、「もう夏の甲子園は開催しなくてもよいのではないか」という声まで飛び出すほどです。

これについて、私は思うところがあります。

確かに、これだけ暑いと甲子園球場といえども例外ではなく、そこで試合をしている人たちの健康状態が心配になるのは事実です。かなり綿密に対策をしないと、本当に何か起きてしまう可能性もあります。
しかし、高校野球に限らず学生スポーツと熱中症の問題がもっと重要になるのは試合よりも、練習です。甲子園球場で試合をしているのはせいぜい3時間程度ですが、練習は1日8時間というところも少なくなく、それが毎日続きます。それが夏であっても同じなので、試合よりも注意するべきは練習なのです。
逆に考えると、それだけの練習をしてこられた選手たちが、3時間程度の試合で倒れてしまう可能性は低いかも知れません。
当の高校球児たちに聞くと、これまで甲子園に出場することを夢見て少年野球から汗を流してきたのですから、それが「暑いからもうやめます」と言われて納得するでしょうか。
今時の高校野球は、強豪校などを中心にその後のプロ野球選手としてのキャリアを想定した選手の育成をしているところがたくさんあります。
その後のキャリアも考えてこれまで努力をしてきた人たちにとって重要なアピールの場を、野球や選手たちの気持ちをよく知らない人が勝手に「危ないからやめろ」というのは極論だと思います。
特に野球の試合は、自軍が攻撃中はベンチで休むことができます。そこにエアコンや扇風機など冷却装置を充実させてクールダウンをして、守備につく時には十分な水分補給をすることを義務付けるなど、できることはたくさんあるはずです。

この暑さがさらにひどくなるようであれば、甲子園球場のドーム化を検討する声もあるそうです。少々高校野球の雰囲気は変わってしまうかも知れませんが、それが選手や応援団の健康を守るためであれば、どんどんやるべきです。
子供が怪我をするから公園から遊具をなくす、事故の恐れがあるからイベントを中止するということが続いています。高校野球まで「暑いからやめます」というのでは、あまりに知恵がないと思うのです。

こういう時こそ大人が知恵を絞って、高校球児たちが安全に夢を追いかけることができる世の中にしたいものです。

事務員さんが不要になる?RPAって何だ?

こんにちは、中野です。
いよいよ夏らしい日が増えてきました、このままどんどん夏らしくなっていくのはビールの売り上げに貢献するのでありがたいですが、熱中症で人が倒れるほどの暑さは勘弁してほしいものです。

最近は人手不足の長期化によって、「人」以外の選択肢で問題を解決しようという動きが顕著になっています。
このブログでもロボットが接客をする飲食店の話などをしていますが、こうした動きは人手不足に悩む飲食業界全体の関心事だと思います。
今回私が気になっているのは、飲食業界ではなくオフィスワークの世界の話です。オフィスワークの世界でも人手不足が慢性化している会社が多く、それをどうにかできないかという課題があちこちから聞こえてきます。

そこで注目されているのが、AI(人工知能)です。
すでにAIは色々な分野で活用されていて、人間の代わりに仕事をしてくれる存在としてみなされているわけですが、それをオフィスワークの世界に導入しようという技術があります。その技術を、RPAといいます。
このRPAとはRobotic Process Automationの略で、ロボットによる業務自動化というような意味合いです。これまでにも事務作業を自動化する仕組みはたくさんありました。表計算ソフトで使うマクロ機能など、その典型例です。
単純なルーティンワークであればすでに自動化されているわけですが、このRPAが自動化しようとしているのは、これまで人間でないと無理とされてきた業務です。
オフィスの風景を思い浮かべると、それぞれの社員のデスクにはパソコンが置かれていて、社員はそのパソコンを使って仕事をします。RPAは、そのパソコン操作すらコンピューターが行うというイメージです。

RPAは、経営者にとっては多大なメリットがあります。
ロボットなので24時間こき使っても問題になりませんし、文句も言いません。また、人間と違って意に反することはしないでしょうし、コストも人件費と比べると格安です。
このようなメリットが注目されて、RPAはどんどん業務の範囲を拡大しています。しかも恐ろしいことに、AIがベースになっている技術なので、仕事をさせればさせるほど学習をして賢くなり、できる仕事が増えていくのだそうです。
何だか、私たちが子供のころに見たSF映画の世界のようです。いつか人間がコンピューターに支配されるのでは・・・なんて妄想もしてしまうような進歩ぶりです。

実際にそんな時代が来るかどうかは別として、もっと大きな問題が目の前にあります。

それは、人余りです。

今は超売り手市場の就職戦線なので、求職者は自分の職場を選びやすい状況です。あまり選ばなければほぼ間違いなくどこかの職場には就職できます。売り手市場なので、求職者が就職先を選ぶことができます。
この傾向は少子化が進行することを考えると、この先も続くでしょう。しかし、それはこれまで通り多くの職場で人を必要としていれば、の話です。

先ほどからお話をしているRPAがもっと普及してくると、今ほど求人数は多くならなくなるでしょう。そもそも人手不足を解消するための技術なのですから、それが進歩すれば人手不足は本当に解消されていくはずです。
少子化が進んでいく一方で、求人も減っていく時代。少子化の時代を生きている若い人たちは、あまり競争にさらされた経験がありません。大学全入時代といわれるように、大学受験も選ばなければどこかの大学に入れる時代です。
このように競争にあまりさらされたことがない人たちが、いざ就職をしようとした時に人工知能や自動化ロボットと就職先のイスを争うことになる未来が、もうすぐそこまで来ています。

そうなった時に求められるのは、人工知能やロボットにはできない人間ならではの仕事です。その時代に向けて、必要な能力を認識してそれを高めようとしている人や教育現場がどれだけあるのかと思うと、少々心配になってくる今日この頃です。

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