テレビ離れ

テレビ離れという「言い訳」について、一言献上

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こんにちは、中野です。
先日の広島カープ優勝は、カープファンにとってはもちろんですが、社会的にも大きな事件だと思います。
そんな事件の中で目についたこと、気になったことがあるので今回は一言ツッコミを入れてみたいと思います。

ご存知の方も多いと思いますが、広島カープが優勝した試合のテレビ視聴率がとんでもない数字だったことが分かりました。
平均視聴率でも66%で、最高瞬間視聴率は驚愕の77%でした。
もちろんこれは広島地区での話ですが、他の地域でも高い視聴率をマークしました。
これはすごいことだ!という論調で紹介していたテレビ番組を見ていて思ったのですが、最近はテレビの視聴率が以前ほど高くはならず、25%を獲得できれば高視聴率だというのが常識になっています。
大手民放が4系列あるので、そのうちの4分の1が獲得できていればOKというわけです。
そこへ持ってきて77%なのですから、その数字がいかに凄まじいか分かりますね。

テレビの視聴率と言えば、これまで大晦日の紅白歌合戦が50%を超える視聴率をマークしていて、メガコンテンツの代表格のように見なされてきました。
しかし、最近では50%を超えることもままならず、低下の一途です。
それを挽回するために他局のキャラクターを起用してみたりしているようですが、決定打ではありません。妖怪ウォッチが大流行した時には「ジバニャン」が登場するという節操のなさでしたが、それなら今年はさしずめポケモンのキャラクターが登場するのでしょうか(笑)
そんな痛々しいことしていても視聴率が大幅に回復することがない世の中で出た77%という数字なので、テレビ界にとっては驚異的な事件なのです。

最近はメディアの多様化が進んでいるのでテレビを見る人が少なくなった。
ネットやスマホの普及でテレビ離れが進んだ。
・・・こんな論調でテレビの視聴率が全体的に下がっていることの理由を社会構造の変化に求めているような気がしますが、ここで重要な視点がひとつ抜け落ちているように思います。
それは、「テレビが面白くない」という事実です。
動画配信サイトのYoutubeを舞台に自分で制作した映像を配信する、ユーチューバーという人たちの中にはテレビよりも人気を集めている人もいます。
製作費を比較したら、おそらくテレビの何十分の1、何百分の1でしょう。そんな個人放送局が、大手テレビ局をしのぐ人気を集めているわけです。

そこへ持ってきて、広島の77%という視聴率。
メディアが多様化しようと、テレビ離れが進んでいようと、人々が見たいもの、面白いものが放映されていればテレビを見たいと思うわけです。
いわゆるゴールデンタイムに放送されているバラエティ番組を見ると、その時に人気のあるタレントが似たようなことをやっているだけで、目新しさや「どうしても見たい」と思うような要素はありません。

テレビというメディアにはまだまだ役割があることが証明された以上、皆が求めているものは何か、見てもらえるものは何か、それを考えなければこのまま凋落していくことが示されたきっかけになったのではないでしょうか。
テレビ制作にも、志事と死事の大きな違いがあるということですね。

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