こんにちは、中野です。
連日暑い日が続いていますが、皆さん熱中症などはくれぐれもご注意ください。
磯一グループ各店は空調ばっちり、よく冷えたビールをご用意してお待ちしておりますので、皆さまのご来店をお待ちしております!
さて、今回は人を育てる方法についての考察です。
最近あまり聞かれなくなりましたが、スパルタ教育という手法があります。
語源は古代ギリシャで行われていた過酷な教育手法のことだそうで、現代のスパルタ教育にも、同じような意味があります。優しく指導するというより、強権的に厳しく物事を教え込んでいくという考え方です。
最近の若い人には、こういうスパルタ教育は向いていないとよく言われます。会社の研修でも厳しいことをするとすぐに辞めてしまうというのも、今や常識になっています。
私は、現在のような風潮になる前からスパルタ教育にはほとんど効果がないと思ってきました。その思いは磯一グループでの社員教育にも反映しているので、厳しく強権的に教育をしたところで人が育つとは到底思えません。
もちろん食べ物を扱う現場なので、面白いことばかりではありません。安全上問題のあることをしている人には、それをしっかり理解してもらうために厳しさを前面に出す必要もあるでしょう。しかしそこには、その指導の中に相手を思いやる気持ちが込められていなければ伝わらないと思っています。
刃物の扱い方が危ないと思って指導をするのは、その人が怪我をしないためです。接客などで問題点がある時に指導をするのは、その人がお客様からお叱りを受けないためです。どれもその人が安全に成長していくために必要なもので、後になってから「あのときに言ってくれたことが生きている」と本人が感じられるようなものでなければなりません。
それが伝わったときに人は指導の本質に気づき、自分の頭で考えて成長していくのです。人が成長していくには、地道ですがこれしかないと思っています。
スパルタ教育は、その場その場をしのいでいくには効果的な方法かも知れません。強権的に教えていくので、指導される人は怒られないために物事を身につけていきますが、それが何のためのものなのか本質を理解していないので、「キツかった」「しんどかった」という感覚だけが残り、肝心なことは身についていないということがほとんどです。
それだと意味がありませんし、それでキツいと感じた人が辞めて職場を離れてしまったら、せっかくのキャリアアップも「ふりだしに戻る」になってしまいます。そんな誰もトクしないことを、磯一グループはやりません。
磯一グループから巣立ち、自分のお店を持っている元社員がたくさんいます。その人たちが口々に語るのは、磯一グループで身につけたことが今の立場になって生きているというものです。こう言ってもらえることが、私としては一番嬉しい瞬間です。
人が育つということは、会社として一番の財産が作られていくということなのです。