「居酒屋の水問題」について

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居酒屋の水問題
こんにちは、中野です。
最近ネットで、「居酒屋の水問題」という一大論争が巻き起こっていることをご存じでしょうか。私たちの業界に深く関わることでもあるので、このあたりでひとつコメントしてみようと思います。

まずは、「居酒屋の水問題」についての解説から。
この問題は、居酒屋で水(水道水)を飲むお客さんが増えたという指摘に端を発しています。ミネラルウォーターではなく水道水というのがミソで、要するに「お冷や」だけを飲む人という意味です。
お冷やは無料なので、飲み物に一切お金を使うことなく食事だけを楽しんで帰る人が最近増えているというのです。理由は自由になるお金が少なくなっていることと、お酒自体を飲まない人が多くなったことが関係しているそうです。
お酒を飲まなくても食事をしに来てくれるのであれば問題ない・・・と思いがちですが、問題はそう単純ではありません。

居酒屋の利益システムというのはお客さんがお酒を注文して初めて成立するようになっていることが多く、お酒で見込まれる利益を計算した上で食事メニューの価格を低く設定していることもあるのです。
この関係が成り立っているお店で水しか飲まないお客さんが増えたら、利益システムが成り立たなくなるというわけです。
しかも、水しか飲まない場合はどうしても食事がそんなに進まないことが多く、おつまみをたくさん注文してくれる期待値が低くなります。
席数の多い店で一部のお客さんがそうしているだけなら良いのですが、小さいお店で水しか飲まないお客さんが長時間座席を占拠してしまうと、本来お酒を飲みに来ていたはずの人が座れず、やはり利益を圧迫するという構図となります。

こうしたお客さんへの対応はお店次第で、特に何か悪気があってしていることではないだけに追い返すこともできないでしょう。しかし、お店によってはこうしたお客さんとトラブルになることもあるそうです。
これが、ネットで大論争になっている「居酒屋の水問題」です。

私はこの問題について、どちらの言い分にも一理あると思います。
水だけで十分食事を楽しめる人にとってお酒は余分なものかも知れませんし、お店から見ればお酒を頼んでくれないのなら上客ではないと思えることもあるでしょう。
磯一グループ各店に来られるお客様のほとんどは料理とともにお酒を楽しむのが好きな大人のお客様なので、こうした問題があまり表面に出たことはありません。
この点については、居酒屋の業態によってもさまざまではないかと思います。
もし水を注文する人が多くなりそうな客層のお店であれば、料理の単価を工夫したりする必要があるのかも知れません。
これまではお店側もお客さん側も想像していなかった水問題。なんだかちょっと世知辛い気もしますが、こうした方々も大切なお客様としてお迎えできるお店や、お店のシステムでありたいと思います。

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