人が注文を取らない、香港のマクド

こんにちは、中野です。
前回はRPAによる事務作業の自動化がもたらす未来について語ってみましたが、今回はその飲食業界版です。
実際にその現場を目撃してきた人の話を交えて、未来を展望してみたいと思います。

世界中に店舗があるファストフードチェーンのマクドナルド。
それぞれの国の特徴はあるものの、世界中どこに行っても、あのロゴマークを見ることができます。そして食べられるメニューもおおむね同じで、ハンバーガーを食べたい、コーヒーを飲みたい、ちょっと休憩したいという人たちのニーズに応えて世界を席捲しています。
日本のマクドナルドを想像してみると、そこにはレジカウンターがあって店員がいます。店員に注文を伝えるとそれがカウンター越しに提供され、自分で席に運んで食べるというスタイルです。
これがどこも同じかというと、実はそうではありません。
その違いがよく表れている、香港のマクドナルドはどういうスタイルなのでしょうか。

香港のマクドナルドにも店員はいますが、彼らは出来上がった商品を渡すだけです。
注文は店内に置かれているタッチパネルで行います。タッチパネルを操作して好きなものを選び、注文品がすべて揃った時点で確定ボタンをタッチし、後は電子マネーのカードをかざして支払い完了です。
香港ではMTRという地下鉄で使うオクトパスというカードが普及しており、それがコンビニやマクドナルドといった色々なところで決済に使えるようになっています。関西でいうICOCAカードやPiTaPaカードを使って買い物をするようなイメージです。すでにそういうことが可能になってきていますが、香港ではオクトパスがあればほとんどの決済が完了してしまいます。

この方法には、実にたくさんのメリットがあります。
客自身がタッチパネルで選ぶのでミスがありませんし、仮にミスをしたとしても客自身の注文ミスなので店が責任を取る必要がありません。また、店員が現金を触ることがないので、とても衛生的です。
そしてもっとも大きなメリットが、人件費の大幅削減です。注文を取ることやお金の受け渡しをするという工数がなくなるだけで、かなりの削減効果が見込めるでしょう。スピードアップも期待できるので、時間効率がアップします。
客にとっても店員の前で注文のと違って後ろから急かされるようなプレッシャーもなく(店内にはたくさんの注文端末があるため)、本当にメリットしかない仕組みです。

もはやマクドナルドでは人が注文を取る時代が終わっているということです。
そもそもファストフード店で店員とのコミュニケーションを楽しもうという人はほとんどいないので、自動化されたほうが気楽でいいと感じる人のほうが多いでしょう。
これがすべての業態に波及するかというと、そうではありませんが、人手不足の解消や人件費削減というメリットがある以上、外食産業にもこの流れは確実に波及するでしょう。

そうなった時に残る価値は何かというと、やはり「人」としての価値です。

「あれを食べたい」というだけであれば香港のマクドナルドとまったく同じ仕組みで良いかも知れませんが、「あの人に会いに行きたい」となると、自動化は不可能です。
磯一グループの業態は後者に近いものですが、だからといってこれまで通りでOKと安住してしまうのではなく、常に店の魅力、人の魅力を提供できる居酒屋でありたいと改めて思いました。

サッカー日本代表の堂々とした姿に感動

こんにちは、中野です。
ニッポン惜しかった!
今はもう、この話題抜きには語れないでしょう。
サッカー日本代表チームはあの世界の強豪、ベルギーを相手に堂々と戦いました。

もう誰もがご存知だと思うので言うまでもないことですが、今大会が始まった時の世界ランクは日本が61位です。ハッキリ言って出場国の中で格下だと思われてもおかしくはありません。
ヨーロッパや南米のチームから見れば、それほど怖くない相手だと思われていたことでしょう。

しかし、初戦のコロンビア戦から今回のストーリーが始まりました。英語で番狂わせのことをジャイアントキリングといいますが、日本がアジア勢で初めてコロンビアに勝ったということから、「今回は何か違うぞ」と思わせてくれています。

ポーランド戦では賛否両論が巻き起こる時間稼ぎがあったりでしたが、これも西野監督が言うように「勝ち上がるための戦略」として真っ当なものだと思います。あの試合で日本に必要なことは目の前の試合に勝つことではなく、決勝トーナメントに出ることなのですから。目的のための手段があって、その手段を正確に選んだということです。

それにしてもどうですか、日本選手の戦う姿の美しさ。
そもそもポーランド戦で負けたのに決勝トーナメントに駒を進めることができたのは、イエローカードがセネガルより少なかったからです。それだけフェアプレーに徹するという日本人の侍魂が思わぬ形で日本に味方してくれたと考えるべきでしょう。
その姿は、決勝トーナメントに進んでからも変わりません。世界ランキング3位の強豪ベルギー相手に、しっかりとルールに則った戦いを続けて実力でゴールをもぎとりました。
先制点を取られてからのベルギー選手の狼狽ぶりは明らかでした。「あれ?格下だと思っていた日本が先制?」と誰もが思う中、何かおかしいぞと思いながら2点目を奪われてさらに焦りを見せます。

勝負事は、焦ったり感情的になった者が圧倒的に不利になります。後半20分頃にベルギーは1点を返しましたが、これは一旦焦っていたメンタルをしっかりと立て直して戦略的に動いた結果だと思います。このあたりは、さすが強豪ですね。
そして最後はわずかな差で競り負けてしまいましたが、戦いっぷりだけでなく負けた姿もカッコ良く見えました。世界を相手に堂々と戦う人たちというのは、顔つきまで一流です。
とても残念な結果でしたが、おそらく多くの人はもっと一方的な試合内容を想像していたのではないでしょうか。一時は2点差をつけて「日本勝つのかも?」と思わせる展開もあって、見ている者を大いに盛り上がらせてくれたと思います。

選手たちは悔しいと思いますが、この経験は必ず生きてきます。堂々と胸を張って日本に帰ってきてほしいと思います。

今年の採用戦線で起きていること

こんにちは、中野です。
街を歩いているとリクルートスーツを着た学生と思しき人たちの姿を見ることが多いので、就職活動がたけなわであることが分かります。
磯一グループは人が成長できる会社・職場であることを常に意識しているので、こうした就職活動や採用活動といった人事に関するニュースにはどうしても敏感になってしまいます。
毎年、「今年の就職戦線の傾向は・・・」といった報道がありますが、これを見ていると世相が分かるような気すらします。やはり就職は多くの人にとって人生に大きく影響を及ぼすことだけに、時代を映す鏡だと思うのです。

まず、全体の傾向として強く伝わってくるのが遠方よりも地元という、地元志向です。就職を機に東京や大阪などの大都市に移り住んで、大きく出世する夢を描くといった価値観がありますが、これは今や多くの人にとって昔話となっているようです。
それぞれの地方には有力な国立大学がありますが、この大学を卒業した人の多くが地元の有力企業や役所に勤めたいと考えており、地元を離れて新天地で頑張るといったことに興味を示さなくなってきていることが分かります。
確かに新天地で生活をするとなると生活費もかかりますし、それまで地元で築いてきた人間関係を置いたまま新天地で新たな人間関係を開拓していかなければなりません。
最近の傾向として、こういうことを煩わしいと思っていることが顕著です。仮にいったんは新天地を求めて就職をしたとしても、数年後には地元の企業に転職して戻ってくるというパターンもよく見られます。

こうした傾向は、なぜでしょうか?

最近の若者は内向きで・・・という指摘は聞き飽きるほど言われていることですが、問題の本質はそれだけではないと思います。私がそこで強く影響を及ぼしていると感じるのは、親御さんです。
親御さんとしては自分たちが年老いていくのに息子や娘が離れたところに行ってしまうことに不安を感じるもので、それなら「無理に地元を離れなくてもいいのでは?」となるわけです。
最近はこうした親御さんの意向によって就職先を決める人が少なくなく、それなら地元でいいかと思う人が多くなった結果が、昨今の地元志向ではないでしょうか。
というのも、磯一グループに限らず飲食業界の採用活動でも本人が入社の意向を持っているのに親御さんの反対で話が白紙になってしまったということも現実にあります。
それだけ親御さんに従順になっているのか、自分で考えたり切り開いていくのが面倒に感じるのか、そのあたりの理由は分かりませんが、これは明らかに見えている傾向です。

また、ワークライフバランス重視というのも最近の就職戦線で見られる強い傾向です。

これはなにかといいますと、仕事と私生活のバランスを保ちながら働くということです。女性の場合は産休や育児休暇という制度になって明文化されていますが、男性の場合も育児休暇を取得する人や、その他の理由などで仕事以外の時間も大切にしたいと考える人が多くなっています。
これだけを見ると、「最近の若い者は働きたくないのか」と考える人も出てくると思いますが、実際はそうではありません。私が日々接している若い人たちを見ても、決して働きたくないと思っているわけではないのです。
自分が働くのは何のためなのかという理由がほしいのであり、仮にそれが家庭を守るということであれば、家庭で過ごす時間もしっかり確保できないと働く意味がないというわけです。

これって日本では新しい価値観に思えるかも知れませんが、欧米では当たり前のようにされてきた価値観です。それに日本も近くなってきたのかという気もしますが、欧米の場合はワークライフバランスに明確な責任や義務が伴います。
「やることやっているのであれば、自分の時間は好きなように使ってください」という価値観なので、そこを履き違えると「ただのサボり」になってしまいます(笑)
これからもこの傾向は続くでしょうし、ちゃんと機能すれば仕事の生産性も高くなると思うので、磯一グループとしてもそういった働き方を尊重できるような仕組みを作っていければと思っています。

居酒屋業界のインフルエンサー、KENICHIさんの世界 後編

こんにちは、中野です。
前回に続いて、Youtuberにして居酒屋業界のインフルエンサーとなったKENICHIさんについてのお話をしたいと思います。
この話が何のことが分からないという方は、前編からどうぞお読みください

Youtubeで10万人以上のファンを集め、投稿する動画が影響力を持つようになったKENICHIさんは、今やインフルエンサーです。インフルエンサーとは特定の分野での有名人や発言が影響力を持っているような人のことです。ファッション業界にはたくさんのインフルエンサーがいて、彼らの発言や着こなしによってファッションの流行が生まれたりしています。KENICHIさんは、居酒屋業界のインフルエンサーとなったわけで、そんなKENICHIさんには飲食業界から熱い視線が注がれるようになります。

分かりやすい事例としては、磯一グループも出展したことがある食のイベント「フードソニック」への出演です。
あちこちの飲み屋を巡り、おいしいものをよく知っている人というイメージがネット上で拡散しているので、その知名度を買われて食のイベントから出演オファーが来たというわけです。
こういう形でグルメ系の有名人が誕生するというのは、これまでになかった流れです。いわゆるグルメライターや食レポタレントいった存在は昔からいますが、Youtubeで自分の動画が人気を集め、それが影響力を及ぼす時代になったのです。

さて、このKENICHIさんはもうひとつ面白い活動をしています。それは、週末の生中継です。KENICHIさんには奥さんがいて以前から一緒に飲み歩きをしていることがありましたが、この生中継では自宅(?)にスタジオを設けてそこで夫婦と視聴者の飲み会をしています。
これはどういうことかといいますと、KENICHIさん夫婦が2人でお酒を飲み、おつまみを作りながら飲み食いをしている様子をYoutubeで生放送して、そこに視聴者がコメントを入れます。そのコメントにKENICHIさん夫婦が反応をして会話に参加してくれるので、視聴者も一緒に飲んでいるような気分になれるというわけです。

人間関係が希薄になり、職場で飲みに行く人間関係が少なくなったといわれる昨今ですが、家で一人で飲んでいても退屈でしょうし、寂しいと感じる人もいるでしょう。そんな人にとって、KENICH夫妻の生放送飲み会に参加するというのは、こうしたニーズに応えているように感じます。
また、本当に飲みに行くとなると億劫で面倒に感じる人だったとしても、自分はコメントを発するだけで参加できる手軽さがあるのも、メリットなのかも知れません。参加したくなければコメントを発することなく、ただ生放送を見ていれば良いのですから。

インターネットが生み出した、新しい飲み会の形。

これが良いか悪いかということは別として、新しい価値観として成立していることは間違いありません。
こういう形の飲み会が増えてしまうと居酒屋は商売あがったりですが、こうした動きがあることをしっかり踏まえて時代の流れに乗っていける準備をしておくことは大切だと思いました。

居酒屋業界のインフルエンサー、KENICHIさんの世界 前編

こんにちは、中野です。

今年はいつもより早い入梅ということもあって、飲食業界は客足に影響が出ることが気になる季節となりました。
やはり私自身のことを考えても雨が降っている日よりもそうでない日のほうが外に飲みに行こうかという気分にもなるので、それは当然だと思います。

さて、今回お話したいのは、Youtubeで人気を集めている「居酒屋インフルエンサー」のKENICHIさんについてです。

Youtubeで人気ってどういうこと?

インフエンサーってなに?

といったことの説明もかねてがっつりとお話をしたいと思いますので、前編と後編に分けます。
前編はまず、このKENICHIさんがどんな人なのか、インフルエンサーとは何かといったあたりのお話をしたいと思います。

このKENICHIさんは、KENICHIとかいて「ケニチ」と読みます。
動画投稿サイトのYoutubeに動画を上げて、その動画が人気を集めているYoutuber(ユーチューバー)の一人です。
Youtuberは視聴者が興味を持ちそうなテーマを動画にしてそれを投稿することで人気によって収入が得られるという新しい職業です。すでに多数のYoutuberが有名になっていますが、このKENICHIさんがテーマとしているのは居酒屋です。
いえ、もうちょっと厳密にいうとお酒を飲める店やお酒のある場所です。

特にこのKENICHIさんが得意としているのは「せんべろ」シリーズです。せんべろとは千円でベロベロの略で、要するに激安価格でしっかり楽しめる飲み屋や飲み方のことです。もともとは沖縄で生まれた言葉ですが、千円でしっかり飲めて楽しめるのであればということで大阪でも人気となっています。
吉野家など本来お酒とあまり縁がなかったような外食チェーンが「ちょい飲み」を展開しているのも、こうしたせんべろ人気の影響です。

さて、このKENICHIさんは大阪の西成や新世界といった、元から安く飲める街を強みとしてそういうところの店に行って動画を撮り、おいしそうに食事をしたりお酒を飲むシーンを撮影した動画を投稿しています。
新世界はともかく、西成となると大阪のディープゾーンと呼ばれる街なので、自分が行くとなると尻込みしてしまう人もいるでしょう。そんな人にとって、KENICHIさんの動画は自分が行ったような気分になれますし、自分も行ってみたいと思った場合の道先案内になります。
かくしてKENICHIさんの動画は人気を集め、すでに10万人以上のチャンネル登録者数を誇ります。これはYoutubeの世界で立派な数字で、Youtuberが職業として成り立つ数字だと思います。

テレビ番組で飲み屋めぐりをするような企画はこれまでにもありましたが、Youtubeの面白いところは放送コードがないのでありのままを伝えられることや、視聴者がKENICHIさんが出没しそうな店にいくと本当に会えるといったあたりでしょう。

KENICHIさんはその後も活動の幅を広げ、大阪各地のせんべろ飲み屋を巡ったり、大阪以外の街や日本以外の国へも足を運んでは飲み屋めぐりをレポートしています。
こうした活動がネット上で話題となり、ついにはKENICHIさん自身がインフルエンサーとしての実力を持つようになりました。

インフルエンサーってなに?それはなにがすごいの?

といった疑問へのお答えは、後編で。

東京チカラめしという牛丼チェーンが示しているもの

こんにちは、中野です。

ここ最近は人出不足、人材不足が企業にとって大きな課題になりつつあります。

新しく事業を拡大しようにも人がいないという声は飲食業界でも当たり前のように聞かれますので、磯一グループも決して他人事ではありません。

そんな外食産業と人の問題について、ある外食チェーンに象徴的な出来事が起きました。

その外食チェーンとは、「東京チカラめし」という牛丼屋さんです。大阪にいくつか店舗があるので、見たことや食べたことがあるという方もおられると思います。

しかしこの東京チカラめし、一時期はどんどん店舗が拡大していたのに、最近は見かけなくなったという印象をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

それもそのはず、急拡大路線を突き進んでいた東京チカラめしはその後失速してしまい、現在は店舗を縮小中です。

いったい、東京チカラめしに何が起きたのでしょうか。その答えとなるのが、「人」の問題です。急拡大したせいで人材の育成が追いついておらず、店舗によってサービスにばらつきが生じてしまい、お客さんを減らしてしまったのです。

ここで注目したいのは、外食チェーンなのに食べ物の味や質、さらには食中毒などの不祥事が理由ではないということです。人の質と量を確保できなかったために、せっかく拡大した店舗網を縮小せざるを得なくなってしまったわけです。これはとてももったいないと思ってしまいますが、実は外食産業の本質的な問題でもあります。

「人さえいればうまくいった」と言ってしまうのは簡単ですが、その「人」を質・量ともに確保することがどれだけ難しいかは、飲食業を営んでいる方であれば痛いほど理解されているはずです。

東京チカラめしが店舗の縮小を余儀なくされたのは、「人がいなかっただけ」なのではなく、「人を育てることができなかった」という致命的な理由があったということです。

これとよく比較されるのが、大手牛丼チェーン各社です。吉野家やすき家などのお店に入ると、最近は外国人の店員がとても多いことに気づきます。中国やベトナム、さらにはインドなど国もさまざま。

言葉の問題も何のその、彼らはちゃんと店を回しています。

なぜこんなことができているのかというと、そこには店舗運営のオペレーションがあります。業務がしっかりマニュアル化されており、サービスの品質管理が徹底されているので、誰がやっても、どこの店舗であっても、同じサービスを提供できるのです。この両チェーンは今も店舗網を拡大していますが、それによってサービスの質が低下したという話は聞きません。オペレーションの確立により、十分な質と量を確保できているからです。

日本語が不慣れな人も少なからずいますが、それでもクレームにならないのは、お客さんにとって必要なことはちゃんとやってくれているからです。

これから外食産業はさらに人手不足が深刻になると思われます。そんな時代に必要なのは、人の育成と人の使い方だということですね。

居酒屋の一人負けが続いています

こんにちは、中野です。

暑くなったり寒くなったりと極端な天候が続いたかと思ったら、いよいよ夏が近づいていることを思わせる暑さを感じるようになってきました。

ビールがおいしい季節に本格突入するというのは、居酒屋にとってとてもありがたいことでもあります。

さて、そんな居酒屋ですが、外食産業の中では厳しい状況に置かれていることをご存知でしょうか。さまざまな市場調査の結果のどれを見ても、居酒屋の「一人負け」が続いています。一人負けというのは、外食産業が店舗数や売り上げを伸ばしているにもかかわらず、居酒屋だけが店舗数を減らしているという事実のことです。

景気が良くなってくるにつれて、外食産業全体は売り上げを伸ばしています。特に顕著なのはファストフードやファミリーレストランなどで、一時期の低価格路線の行き過ぎや来客数の低迷があった頃と比べると、ずいぶん良くなったように感じます。

そんな状況なので居酒屋も伸びて・・・と言いたいところなのですが、居酒屋だけは店舗数が減っているわけです。

磯一グループは店舗数を減らすことなく、おかげさまで順調にやらせてもらっていますが、大手の居酒屋チェーンや個人経営の居酒屋などが特に厳しい状況にあるようです。

これはなぜでしょうか、いくつかの理由が考えられます。

まずは、若い人を中心に進んでいる酒離れ。お酒をまったく飲まない人は仕方ないとして、お酒を飲む人であっても居酒屋やスナックなどに足が向く人が減っているのは事実です。

夜のお付き合いを露骨に嫌がる人が増えたというのも、ご時勢なんでしょうね。

ここから先は、あまり一般の方は注目しない視点です。酒は行き過ぎた安売りが国から問題視され、それを規制する動きがあります。そうでないと酒の卸売りが苦しくなるばかりなので、それを是正しようというわけです。これは意外に飲食業に影響を及ぼしており、仕入原価が上がったことは小規模な個人経営の居酒屋などに大きな影響が出ています。お酒の価格が上がると、家で飲む人が増えるという構図は続いています。

こうしたことを考えると、やはり居酒屋という事業はお酒を提供するだけの場所ではないことを改めて実感します。居「酒」屋というくらいなのでお酒メインではあるのですが、最近はお酒をまったく飲まない人も多くなっており、磯一グループ各店にもそんなお客様がお越しになることも多くなりました。

お酒を飲まない人であっても楽しめる店作り、お目当てにしてもらえるような料理を用意することが、以前に増して重要になっているわけです。事実、それができている居酒屋はそれほど影響を受けることなくお客さんが来ています。

居酒屋ならどこでもいい、どこでも同じというのではなく、「あの店に行きたい」と思ってもらえるような店作り。これからのキーワードは、まさにこれですね。

磯一グループもそれに該当するコンセプトの居酒屋なので、「磯一グループの店に行きたい」とこれからも思ってもらえるように頑張ります!

スマホの影響力が無視できなくなってきている昨今

こんにちは、中野です。

世の中はゴールデンウィークということで、ニュース報道を見ていてもあちこち観光地がにぎわっている様子を見ることができます。
人はたくさん働いて、たくさん遊ぶのが理想なので、普段頑張っている人たちがこうして思いっきり遊ぶ様子を見るのは悪くない気分です。
しかし最近は、そんな余暇の過ごし方にもいろいろと変化が出てきているようです。その変化の主役は、スマホです。

スマホが1台あればゲームや友達との連絡、情報収集など私たちが日常生活でやっていることの多くが事足ります。最近の就職やアルバイト探しもスマホが主役なので、磯一グループ各店に応募をしてくる人たちも多くがスマホからです。
特にスマホゲームの成長ぶりには目覚しいものがあるので、たくさんの人が電車の中でスマホゲームに興じている光景を目にします。このこと自体の是非についてとやかく言うつもりは、ありません。
事実、このブログでも最近になってスマホにまつわるトピックがありました。これまでスマホからのアクセス数がほぼ半分だったものが、最近になって6割を超えたのです。長らくパソコンからのアクセスが半分くらいを占めていて、それがいつしかスマホに取って代わり、ついにそれが6割を超えて3割程度のパソコンと比べて倍になったのです。
私のブログひとつをとっても、スマホがなければ多くの人に私の考えや思いを伝えることができなくなってきていることを考えると、スマホ様様です。

ただ、スマホゲームの課金を本格的に利用すると結構な金額になるそうで、携帯料金とあわせて毎月の出費が重荷になってきていると聞きます。
若者のクルマ離れ、テレビ離れ、恋愛離れなどなど、私たちが若いころであれば大好きだったものから、若い人がことごとく離れています。そこにもおそらくスマホが関わっていると思われます。いやはや、恐るべしスマホ。

ゴールデンウィークの休暇はスマホ三昧という人も少なからずいると思いますが、たまには外に出て、いい季節の息吹も楽しんでほしいなと思います。
そしてもちろん、居酒屋にも是非足を運んでくださいね。

人工知能が接客サービスをする寿司店

こんにちは、中野です。
春があっという間に通り過ぎて、いよいよ夏が始まることを予感させる今日この頃です。

このブログでは何度か人工知能やロボットの話題を取り上げてきましたが、今回もその流れで目に留まった話題をご紹介したいと思います。
北陸地方を中心にチェーン展開をしている、はま寿司という回転寿司屋さんがあります。北陸は海産物に恵まれていることもあって、はま寿司はネタの豊富さやおいしさが売りなのですが、それともうひとつ、話題になっていることがあります。
それは、ソフトバンクが開発したペッパーというロボットが接客係を担当していることです。このペッパーは人工知能が搭載されていて、話すごとに新しいことを学んでいく成長型のロボットです。
はま寿司ではこのペッパーを接客係として配置し、順番待ちをしている人の交通整理や順番が来た人の案内などを行っています。実際にはま寿司でこれを体験した人の話だと、それはもうテキパキとした働きぶりで、忙しい時に人間が同じことをするよりもはるかに効率がいいと感じたとのことでした。
はま寿司がこの取り組みをはじめた経緯には、人手不足があります。人手不足は人件費の高騰にもつながるので、それなら最初にペッパーを購入する投資をしても採算が合うということなのかも知れません。
結果としてペッパー君はしっかりと仕事をこなしているのですから、この試みは成功していると言えるでしょう。人手不足にロボットを活用するという発想はあちこちで広がりを見せていますが、いよいよ外食産業にもその波が押し寄せてきたことを感じさせる話題です。
さすがに磯一グループ各店でロボット接客係が活躍できるかというと、そんなことはないと思いますが、今後もあちこちの飲食店でロボットが接客に登場することは多くなると思います。

今年の入社式で思うこと

こんにちは、中野です。
4月は新社会人が巣立っていく時期でもあるので、あちこちで入社式が催されたというニュースが花盛りでした。
大手企業の入社式は、それはもう大規模でさすがだと思えるようなものがたくさんありましたが、そんな中で目を引いた傾向がありました。
それは、入社式のエンターテイメント化、ゴージャス化です。

どの会社がどう、という特定的なことは言いませんが、ホテルの豪華バイキング料理を振舞う入社式は当然のようにありますし、豪華クルーザーの船上でクルージング、なんていうのもありました。そのうちコンパニオンでもあげて酒池肉林でもやるんちゃうの?と思ってしまうほどです。
こうした入社式が多くなった背景は、人手不足です。企業は採用活動を行うにあたって計画通りの人を採用することが難しくなってきており、昔と違って企業が人を選ぶのではなく人が企業を選ぶ時代になりました。
少子化が進行しているのですから、この傾向は今後も続くでしょう。
もちろん、磯一グループも例外ではなく採用活動には苦労させられることもあります。
その結果、せっかく採用した人たちなのだからすぐに辞めてしまわないようにおもてなしをしている、というわけです。

確かに、この考え方は間違ってはいないと思います。魚心あれば水心なので、会社からもてなされたらやる気が出るかも知れませんし、その会社のことを好きになる可能性も高いでしょう。
しかし、それは豪華な食事だけで実現できるものではありません。
本当に大切なのは、その人が就職をして仕事を始めてからです。自分のやりたいことがあって、仕事を通じて自分を高められていると実感できることが、最大の社員サービスであると私は思います。
外食産業で働きたいと思う人の多くは、将来自分の店を持ちたいと考えています。磯一からもたくさんの人が卒業して、自分の店を持っています。この人たちは当然、磯一グループでえ仕事をして良かったと思ってくれていますし、会社としても本当に良かったと思います。
自分の会社に入社する人が目指していること、本当にやりたことは何か?その本質をしっかりと見据えた上で社員満足度を向上する努力をするのが本来の姿なのかな、と思います。
大規模な入社式をするわけでもありませんし、豪華クルージングもありませんが、磯一グループは新しく私たちの一員になる人を本当の意味で大切にして、それぞれの人の目指す道を本気でサポートしていきます。