こんにちは、中野です。
春がもうすぐそこまで来ている今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
大阪ミナミの台所と言えば、黒門市場です。
ふぐや蟹などの高級食材を取り扱うお店がたくさん並び、ミナミ界隈の料理店などを営む人が食材を仕入れにやって来る商店街です。
私もこの商売をしているので何度も行ったことがありますが、最近の黒門市場は外国人観光客が大挙して訪れる町になっていて、町の風景すら変わってしまっているという話をよく聞いていました。
確かに、数年前くらいから何となく外国人の姿が目立つような気はしてしましたが、最近行った時に見た光景は、これまで見てきた黒門市場とはまるで別世界でした。
そこらじゅうにあふれる外国語の看板、町を歩く外国人の姿、そして美味しそうに食べ物を頬張る人たち。
外国語の内訳を見ると、英語と中国語が半々と言った感じでしょうか。それから察するに、黒門市場を「占拠」しているのは大半が中国人観光客だと思われます。
そこで彼らが美味しそうに食べているのは、日本人が古くからなじんできた魚介類です。
さすがにふぐや蟹などはその場で食べられませんが、焼き牡蠣や帆立、寿司の盛り合わせなどについてはその場で食べられるものも多く、お店の奥で食べたりホテルで食べるためにテイクアウトをする人の姿が目立ちました。
この光景は、黒門市場でお店をやっている人にとっては天佑でしょう。
並べている商品が飛ぶように売れていくのですから。
そして、おそらくですが日本人ほど味に対して細かいことを言わないと思います(笑)
彼らにとっては黒門市場に行ったこと、そこで何かを食べたことが重要なのですから。町のあちこちで、買った食べ物と一緒に写真を撮っている人の姿も見かけました。おそらくFacebookなどのSNSに投稿するのでしょう。
今や、黒門市場はテーマパークのようになっているということですね。
どんな形であれ、日本の食文化を外国からやって来た人たちが自分の目で見て、食べて楽しむというのは素晴らしいことだと思います。
楽しい思い出を持ち帰った人が、それぞれの国で「良かった」「美味しかった」と言えば、それを聞きつけた人がまたやって来るかも知れません。
日本には世界に誇れる食文化があります。
その担い手の一人として、しっかりと文化を守りつつ世界中の人に知ってもらえる努力を続けていきたいと感じました。