こんにちは、中野です。
10月に入っても、引き続き台風が続々とやって来るのでなかなか秋晴れの空を拝むことができませんね。
最近の飲食店、外食産業の事情を見ていると、昔では考えられなかったようなことがよく起きる時代になったもんだと感じさせられます。
今回コメントしたいと思ったのは、「わさびテロ」の問題です。あまりにも新しい話題なのでご存じない方もおられるかも知れません。
簡単に解説すると、こんな感じです。
大阪の某所にある、外国人観光客に人気の高い寿司店でのことです。
そこは立地条件やガイドブックに載っているなどの理由から来店客の大半が外国人観光客です。それで業績を伸ばし、店舗数を増やしているほどです。
わさびテロ事件は、そこにやって来た外国人観光客に提供した寿司に入れられたわさびの量が尋常ではなく、これは嫌がらせではないかというのです。
私も寿司職人として、本当かと思ってネット上に出ている問題の写真を見ましたが、確かに多いです。あれだけはみ出していたらさぞやツーンと来たことでしょう。
これに対して、ネットが激しく反応しました。もちろん、賛否両論です。
全部を見たわけではないのですが、この議論を見ていて本質に突っ込んだ意見が少ないなと思いました。
この問題の本質は、「マナーの悪い客」と「了見の狭い板前」のバトルではありません。極論かも知れませんが、異文化同士がぶつかり合った時に出る火花みたいなものではないかと思うんです。
おそらくこの寿司店の板前さんは普段から外国人観光客による不見識にイライラしていたのでしょう。全員が寿司のことをちゃんと理解しているとは到底思えないので、謂れのないようなクレームを付けられたこともあったと思います。
嫌なら来るな、と思ったこともあるでしょう。
そこへ来て、その板前さんの堪忍袋の緒が切れるような出来事があって、だったらわさびをたっぷり入れてやろうと思ったとしても、不思議ではありません。
とばっちりを食らったのは、そのわさびテロに遭った人です。その人が来る前に溜まっていた鬱積みたいなものに対する腹いせを自分にされても、と思ったでしょう。
もともと、寿司店というのはちょっと敷居の高い飲食店です。
メニューが一切書かれておらず、板前さんとのやり取りで食べるものを決めていくというスタイルも珍しくありません。もちろん、そこに価格表示も無く、すべてやり取りの中で値段が決まっていくようなこともあります。
それ大して、回転寿司のようにカジュアルさを前面に出した寿司店もあります。この両方は真逆すぎて全く相寄れない存在ですが、どちらも寿司店であることに変わりはありません。
この話は長くなるので、後編に続きを書きます。