居酒屋には色々な形態がありますが、その中のひとつに「カウンター」があります。カウンターとはご存じの通り、ボックス席ではなく座席が横並びになっていて、従業員と相対する形になっているものを言います。
磯一グループで言うと、山田店や江坂店がカウンターメインのお店です。江坂店については「離れ」ができたので若干カウンターの比率が下がってはいますが、今もカウンターは健在です。
こうしたカウンターをメインにした居酒屋商売のことを、「カウンター商売」と言います。いわゆる大きなお店や個室があるようなお店ではなく、お客様と最も近い距離感でする商売のことです。
かつて磯一グループで働いていたスタッフが、6年間の在籍を経て独立開業しました。現在は出身地に戻って居酒屋の店主を務めていますが、この元スタッフは「磯一でカウンター商売を学んだ」と言います。かつて山田店で活躍してくれたスタッフなので、確かにカウンターメインの業態に慣れていたのでしょう。
彼曰く、カウンター商売は居酒屋の原点であり、現在自分で切り盛りしている地元のお店も、同じくカウンターメインの業態になっています。
やはり人間は得手不得手というものがあって、彼にとってはカウンター商売が性に合っていて、自身もそのほうが面白いと言っているので、現在の業態を選んだそうです。
カウンター商売の良いところは、お客様との距離感がとても近いのでお客様と接しているうちに色々なことが自然に学べる点です。もちろんダメ出しもありますが、それすら言わず二度と来店されないほうがもっと怖いので、これもカウンター商売の良いところでしょう。
逆にお客様に満足してもらえた時もその喜びがダイレクトに伝わってきます。簡単に言ってしまうと、お客様に満足してもらえた、今日は良い仕事ができたと思った時のやり方だけを残していけば、自然にスーパーマンが出来上がります。
もちろんそんな簡単にはいきませんが、その試行錯誤を早く回転させることができる意味でもカウンター商売は人を成長させやすい業態と言えるかも知れません。
これから居酒屋、飲食業を志す人は、ぜひこのカウンターに注目してみてほしいと思っています。それは働くという意味だけでなく、食事をしに行く際にもカウンター商売がうまく回っているお店から学べることはとても多いからです。
磯一にとっても原点であるカウンター商売、これからも大切にしていきます。