直接会話しなくても伝わる、料理のコミュニケーション

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こんにちは、中野です。
まだまだ寒い日が続きますが、3月に入って少し暖かい日も多くなってきました。
ここからは三寒四温の、体調管理が難しい時期になりますので皆さんもお体ご自愛ください。

先日、磯一の店舗に来られたお客様からある評価をいただきました。
その方は大のお魚好きで、海鮮料理を楽しめるお店を探しては食べ歩くの大好きという方です。この時点で、かなり口が肥えている方というのは想像できますね。
その方から、磯一の料理について刺身がとても美味しかったという評価をいただきました。もっと正確に言うと、「美味しかった」だけではなく「楽しかった」という評価つきでした。
この「美味しかった」という評価だけであれば、お口に合って良かったということめでたし、めでたしになるのですが、「楽しかった」というのが印象的でした。
この方曰く、和食は見て楽しむ要素があるので、その意味でも楽しませてもらいました、ということでした。

これは、私もとても共感する部分です。
寿司職人からこの世界をスタートさせた私は、働いていた寿司屋で見た目の大切さを学びました。人間は味覚だけでなく、視覚的にも好感を持ったものにおいしいというポジティブな感情を抱くものだということは、寿司職人をしていてもよく分かりました。
だからこそ、磯一グループ各店では器や盛り付けにもこだわっています。

以前にスタッフが、仕事のやりがいをインタビューされた時に盛り付けの話をしたことがありました。料理人なので直接客席に行ってお客様と話す機会はそれほどありませんが、盛り付けた料理が運ばれて行って、客席から「おーっ!」という声が上がると、ガッツポーズものだと話していました。
直接会話をすることがあまりなくても、盛り付けで勝負をして、それがお客様に伝わった瞬間ですね。これも立派なコミュニケーションです。

このお客様が「楽しかった」と言って下さったのは、そんなコミュニケーションが伝わったからだと思いました。直接相対することはなくても、料理人が心を込めて作ってお出ししたら、こうやって楽しさとなって伝わるんですね。
何だか、とてもホッコリするエピソードでした。

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