熊本地震と、食べ物が持つ力

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熊本地震 炊き出し

こんにちは、中野です。
やはり今回は、つい先日起きたばかりの熊本地震について思ったことを述べるべきだと思いますので、一連の地震についてのお話をしたいと思います。

私を含めて、おそらく多くの方々が「熊本で大きな地震が起きた」というニュースに触れただけの段階では、現実味を感じられなかったのではないでしょうか。
大きな揺れが来たとは言え、亡くなった方が最初の段階ではとても少なかったこともあって、それほど大きな災害に感じなかったのではないでしょうか。
しかし、実際にはそうではありませんでした。
今もまだ被害が拡大していますが、「頼むからこれ以上の被害拡大はやめて」という気持ちでいっぱいです。何度も続く余震というのは、あの阪神淡路大震災の時にも経験したものなので意外なことではないですが、余震が阪神淡路の時と同じ規模と聞くと、揺れの大きさを実感します。
被災地の無事と、これ以上被害が拡大しないことを心よりお祈りします。

さて、この一連の報道では色々な映像を目にしました。
その中で目を引いたのが、やはり食べ物についてです。今回の熊本地震は被害が出ている地域が限定的なので、比較的物資が早くから現地に届いているそうです。東日本大震災の時は津波が来たこともあって被害地域があまりにも広く、物資が行き渡るにもかなりの時間が掛かりました。
その点においては、今回はまだ不幸中の幸いなのかも知れません。
自衛隊など色々な組織や団体が被災地入りをして炊き出しをしている映像を目にしますが、ここで象徴的なのは、それをもらって食べている人たちの実に美味しそうな顔です。インタビューを受けている人たちの「ありがたい」という言葉にも心に響くものがあります。
空腹は最大のご馳走という言葉がありますが、それを思い出すような映像でした。

私たちは毎日の生活で食べ物に困ることがほとんどなく、食べたくても食べ物がないということに現実感を持てずにいます。
しかし、世界は違います。日本人が豊かな生活をしている一方で食べ物に困っている国もたくさんあります。そのことを知識として知ってはいても、やはり人間は自分のこととして体験しないとそれをリアルに感じることはできないのです。
奇しくも熊本地震でそれを実感させられることになったわけですが、あの炊き出しを食べた人たちにとっては一生忘れられない食事になったのではないかと思います。

飲食業というのは、食べ物を提供してお金をもらうというだけの商売ではありません。そこに来てくれるお客さんに楽しんでもらい、幸せな時間を過ごしてもらう商売です。
その意味では、熊本で空腹に耐え、炊き出しのご飯にありついた人たちの幸せな感情には、私たち飲食業が束になってかかってもかなわないでしょう。炊き出しのご飯を美味しそうに食べている人たちの姿を見て、それを強く感じました。
当たり前のことですが、人は食べ物がないと生きていけません。そして、食べ物には人を幸せにする大きな力があります。それはどんな状況であっても変わりません。

食べ物が持つ力を、今回も強く見せつけられた気持ちになりました。
これからも食べ物を通じて多くの人に幸せになってもらうことが、今の私たちに出来ることだとも感じた次第です。

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