こんにちは、中野です。
前回に続いて、Youtuberにして居酒屋業界のインフルエンサーとなったKENICHIさんについてのお話をしたいと思います。
この話が何のことが分からないという方は、前編からどうぞお読みください。
Youtubeで10万人以上のファンを集め、投稿する動画が影響力を持つようになったKENICHIさんは、今やインフルエンサーです。インフルエンサーとは特定の分野での有名人や発言が影響力を持っているような人のことです。ファッション業界にはたくさんのインフルエンサーがいて、彼らの発言や着こなしによってファッションの流行が生まれたりしています。KENICHIさんは、居酒屋業界のインフルエンサーとなったわけで、そんなKENICHIさんには飲食業界から熱い視線が注がれるようになります。
分かりやすい事例としては、磯一グループも出展したことがある食のイベント「フードソニック」への出演です。
あちこちの飲み屋を巡り、おいしいものをよく知っている人というイメージがネット上で拡散しているので、その知名度を買われて食のイベントから出演オファーが来たというわけです。
こういう形でグルメ系の有名人が誕生するというのは、これまでになかった流れです。いわゆるグルメライターや食レポタレントいった存在は昔からいますが、Youtubeで自分の動画が人気を集め、それが影響力を及ぼす時代になったのです。
さて、このKENICHIさんはもうひとつ面白い活動をしています。それは、週末の生中継です。KENICHIさんには奥さんがいて以前から一緒に飲み歩きをしていることがありましたが、この生中継では自宅(?)にスタジオを設けてそこで夫婦と視聴者の飲み会をしています。
これはどういうことかといいますと、KENICHIさん夫婦が2人でお酒を飲み、おつまみを作りながら飲み食いをしている様子をYoutubeで生放送して、そこに視聴者がコメントを入れます。そのコメントにKENICHIさん夫婦が反応をして会話に参加してくれるので、視聴者も一緒に飲んでいるような気分になれるというわけです。
人間関係が希薄になり、職場で飲みに行く人間関係が少なくなったといわれる昨今ですが、家で一人で飲んでいても退屈でしょうし、寂しいと感じる人もいるでしょう。そんな人にとって、KENICH夫妻の生放送飲み会に参加するというのは、こうしたニーズに応えているように感じます。
また、本当に飲みに行くとなると億劫で面倒に感じる人だったとしても、自分はコメントを発するだけで参加できる手軽さがあるのも、メリットなのかも知れません。参加したくなければコメントを発することなく、ただ生放送を見ていれば良いのですから。
インターネットが生み出した、新しい飲み会の形。
これが良いか悪いかということは別として、新しい価値観として成立していることは間違いありません。
こういう形の飲み会が増えてしまうと居酒屋は商売あがったりですが、こうした動きがあることをしっかり踏まえて時代の流れに乗っていける準備をしておくことは大切だと思いました。