将来、魚が食べられなくなる?

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魚が食べられなくなる 磯一
こんにちは、中野です。
いよいよ長かったゴールデンウィークも終わりが近くなってきました。各地では大渋滞が発生しているようで、なんだか季節の風物詩のように感じます。
日本はさまざまなところで季節を感じることができる国ですが、食卓もしかりです。特にその中でも旬を感じやすいのは魚や野菜、果物などです。
日本の食卓で常に主役となってきた魚について、先日気になる記事が公開されていました。
その記事によると、今後日本人は魚が食べられなくなるかも、というのです。

記事のタイトルは、「魚が食べられなくなる、は本当か」というもの。
Yahooニュースでも紹介されていたので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。海鮮居酒屋をやっている者として、真っ先に見てみたくなるタイトルでした。
その記事によると、魚が食べられなくなるかもしれないという根拠は、以下の3つです。

・日本近海で水産資源が減少していて漁獲高が減っている
・輸入して補おうにも海外の需要増によって買い負けている
・そもそも日本人が魚を食べなくなっており市場を縮小している

なるほど、確かにごもっともと思えるような根拠ばかりです。
磯一各店や海の家など、グループ各店に来られるお客様は魚をおいしく食べたいという方ばかりなので、私の事業だけを見ると魚を食べなくなっているという現実に気づきにくい部分があります。
しかし、仕入れの観点で見ると確かに魚の値段は高くなっているので、上記の根拠がどこかで影響を与えているのかなと感じることは多々あります。

また、魚自体が少なくなっていることにあわせて、もうひとつの現象としては獲れる魚が小さくなっていることが挙げられます。
やはり、海の中では資源が確実に少なくなっているのでしょう。
しかし、世界に目を向けると世界的な漁業国というのはいくつもあります。最も顕著なのはノルウェーですが、他にもニュージーランドやアメリカ、ロシアなど。これらの国では漁業が大きな産業になっていて、大きな漁獲高を背景に大きな利益を上げています。
日本とこれらの国の違いはなに?と思って記事を読み進むと、その答えが書かれていました。

こうした漁業大国は、魚の資源を保護しながら持続的な産業として守っているので、安定して魚を世界中に供給できているのだそうです。
もちろん日本にもこうした技術はあるので現場では色々な取り組みがなされているのですが、いかんせん小規模で海外の大規模なプロジェクトとは競争にならないんだとか。

いくら日本人が魚を食べなくなったといっても、今も和食の主役であることに変わりはありません。日本人は有史以来、ずっとそうしてきたのですから。
今後魚が食べられなくなるという状況を受け入れるのは無理でしょう。
ならば、漁業を成長産業として位置付けてもっと大きな規模で取り組んでいく必要があるのではないでしょうか。
先ほどの記事にも似たようなことが書かれていましたが、魚と密接に関わっている者としても同じことを思います。
漁業は本来儲かるはずなので、その本来の姿に立ち返ることで後継者不足や持続的な産業としていくための諸問題を解決できるのではないかと思います。

ここでひとつ言いたいのは、いくら磯一グループの各店では魚を食べる方が多いと言っても、それは世の中のごく一部に過ぎません。
やはり皆さんにはもっと、ご家庭でも魚を食べてほしいですね。そうすれば国内の漁業市場が大きくなって、より漁業という産業が成長しやすい環境になると思うからです。

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