こんにちは、中野です。
世の中は今日あたりからお盆休みが始まりますね。すでに学生の夏休み期間は始まっているので、街にはたくさんの子供や学生たちの姿を見かけます。
そんな学生さんたちにとっておなじみの飲食店と言えば、色々とあるとは思いますが誰もが知っているのはマクドナルドでしょう。
関西では「マクド」、関東では「マック」の愛称でも親しまれていて、食事をする人、お喋り場として長居する人、宿題やレポート作成など勉強目的で立ち寄る人などなど、若い人たちから絶大な支持を受け続けてきたのがマクドナルドです。
しかし、ここ最近のマクドナルドは冴えません。
そのことは数字にハッキリと表れています。日本マクドナルドホールディングスの売上げは減少を続けていて、客離れに歯止めがかかっていない状況です。
かつて外食産業の優等生と言われて、世界の中でも日本のマクドナルドは好調を続けていたお手本のような会社でした。
そんなマクドナルドに、いったい何が起きているのでしょう?
そもそもマクドナルドに対する風当たりは、本国であるアメリカでかなり強くなっています。
マクドナルドに通ったせいで病気になった、肥満になったという裁判が相次いで起こされて、驚くことに原告勝訴の判決が相次いで出されました。つまり、訴えた側の主張が認められてマクドナルド社は多額の賠償金を払わされたのです。
同じようにタバコメーカーが相次いで高額賠償金を払わされているのに似ています。
アメリカでそんな流れが起きていても、日本のマクドナルドは引き続き好調を維持し続けてきました。
メニューの味や品質はともかく、いち早く店内にWi-Fi設備を導入したことや店舗づくりの方向姓などで業界をリードしていたのは事実なので、それは決して偶然ではなかったと思います。
そんな優良企業だった日本のマクドナルドですら、今や客離れが止まらないのです。
客離れを起こした最大の原因は、おそらく原料の調達先がかなり怪しいルートであることが発覚して中国の工場でとんでもない衛生状態でチキンナゲットが作られていたことが知れ渡ってしまったことです。
産地偽装や使い回しなどがたびたび問題になっていますが、その極めつけのようなスキャンダルだったので、一時的な客離れは仕方ないと見られていました。しかし、それから時間が経ってマクドナルド自身も品質管理において情報を開示したり調達ルートを変えたりとたくさんの企業努力をしてきています。
それにもかかわらず客足が遠のいたままなのは、調達先を変えたことによる値上げが関係しているのではないかと見ています。
それまでのマクドナルドは低価格路線で、とにかく安く食事ができるから、お金を使わずに粘れる居場所があるからという理由で若い人たちからの支持を集めてきました。
しかし、中国の調達先に見られるように安さを追求するあまりに品質管理が甘くなってしまい、結果として致命的なスキャンダルとなってしまいました。それを改善するということは、これまでのようにひたすら安い材料調達はできないので、それが価格に転嫁されるというわけです。
その結果マクドナルドは低価格路線をやめることになって、これが今の低迷につながっているのだと思います。
同じようにハンバーガーチェーンで最初から低価格路線を採用していないモスバーガーがあります。高い代わりに品質は間違いがないということを売りにしてきたので、当然ながらマクドナルドのようなスキャンダルはこれまでありません。
マクドナルドが低価格路線をやめるということはモスバーガーに価格が近づくわけで、それなら最初から品質に安心できるモスバーガーに行くほうが良いと言う声がネット上にもあふれています。
このことから見えてくるのは、やはり外食産業というのは一度失った信用を取り戻すには並大抵のことではないということです。
最初からモスバーガー並の品質管理を売りにしていれば同じ価格帯になっても市場を二分していたかも知れません。食べ物である以上、安全であることと安心して食べられることは何よりも重要だということです。
磯一グループは、どちらかというと低価格路線というよりはモスバーガーに近い路線の海鮮居酒屋です。何度も来ていただいているお客様の多くは質の良い食べ物に期待されているわけで、この期待を裏切らないことが何よりも大切なのだということをマクドナルドの一件でも教えてくれている気がします。
これからの外食産業は、ただ安いだけでは受け入れられず、良いものを提供することにお客様の関心が移っているということだと思います。そのためには相応の価格になっても仕方ないという意識にもなっているので、消費者意識が成熟しているということも感じさせてくれます。