こんにちは、中野です。
相変わらず冬本番が続いていますが、皆さまお風邪などは大丈夫でしょうか。
今回は、とても尊敬する経営者のお話しをしたいと思います。その経営者とは、任天堂の岩田聡さんです。
任天堂と言えば、すでに故人となっている山内さんという方が起業した一大ゲーム会社です。花札やトランプの販売に始まって、ファミコンで世界を席巻したことはご存知の通りです。
岩田聡さんは、その任天堂に経営者として抜擢されたプロのCEOです。
この岩田さんの考えというのが、とても進歩的といいますか目からウロコが落ちるようなものばかりなので、少しご紹介しましょう。
「ウケるというのはお店で何個売れるということではない」という話の中で、その先には「買ってくれたのはどんなお客さんで、すぐにやめてしまったのか、それともずっと遊んでくれているのか、どちらであったとしても1個の売上げです。そうではなく、その中身を知るのと知らないのでは次のステップで考えることが違ってくるんですね。」という話が続きます。
いかがでしょう?とても説得力がありますね。
これは磯一グループの売り上げにも同じことが言えます。同じ料理を注文したお客様が複数いたとして、それぞれのお客様がその料理をどう楽しまれたのか、これは千差万別です。
美味しい美味しいとあっという間に平らげたのか、あまり口に合わなくてほとんど残してしまったのか、はたまた全部食べたものの内心あまり満足されていないのか・・・同じ売り上げという数字の中にも、これだけの違いがあるわけです。
売り上げという数字だけでなく、その中身にこだわるという考え方にはとても共感できます。私は常々、スタッフにもその中身に関心を持って気づきを得てほしいと伝えています。実際にスタッフの多くはそれを実践してくれているので、同じ料理をお出しするのであっても去年と今年とでは満足度が違うと思います。
マーケティングの理想的なPDCAですが、これを実践できている飲食店はやはり繁盛していますし、ネットなどでも高い評価を得ているように思います。
もうひとつ、岩田さんは面白いことを述べられています。
任天堂にとってのライバル企業、競合相手とは何かという問いに対して、「お客様の興味関心と時間とエネルギーを奪い合うすべてのものがライバルだ」と答えられました。
任天堂というゲーム会社のライバル企業というと、バンダイナムコやスクウェア・エニックス、ソニーなどかなと思ってしまいますが、それだけの視点だと本当の楽しさは見えてこないということなのだと思います。
これも外食産業に大いに当てはまることではないでしょうか。磯一グループ海鮮居酒屋なので、ついついライバルというと同じ業界の居酒屋を想像してしまいます。しかし、お客様がお金と時間を使って外食をする空間という意味では、吉野家の牛丼やマクドナルドであってもライバルと言えるのです。
はたまた、中食と言われるようなテイクアウト型の食べ物屋さんなどもライバルとなり得ます。このように広い視野でマーケットを見ることで、お客様が本当に求めているものが見えてくるというのは、大いに共感できます。
ゲーム機やゲームソフトも、外食も、お客様にとってはエンターテイメントです。これからも選んでもらえるお店づくり、空間づくりのヒントがたくさん詰まっているお話だと思いました。