今年の採用戦線で起きていること

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こんにちは、中野です。
街を歩いているとリクルートスーツを着た学生と思しき人たちの姿を見ることが多いので、就職活動がたけなわであることが分かります。
磯一グループは人が成長できる会社・職場であることを常に意識しているので、こうした就職活動や採用活動といった人事に関するニュースにはどうしても敏感になってしまいます。
毎年、「今年の就職戦線の傾向は・・・」といった報道がありますが、これを見ていると世相が分かるような気すらします。やはり就職は多くの人にとって人生に大きく影響を及ぼすことだけに、時代を映す鏡だと思うのです。

まず、全体の傾向として強く伝わってくるのが遠方よりも地元という、地元志向です。就職を機に東京や大阪などの大都市に移り住んで、大きく出世する夢を描くといった価値観がありますが、これは今や多くの人にとって昔話となっているようです。
それぞれの地方には有力な国立大学がありますが、この大学を卒業した人の多くが地元の有力企業や役所に勤めたいと考えており、地元を離れて新天地で頑張るといったことに興味を示さなくなってきていることが分かります。
確かに新天地で生活をするとなると生活費もかかりますし、それまで地元で築いてきた人間関係を置いたまま新天地で新たな人間関係を開拓していかなければなりません。
最近の傾向として、こういうことを煩わしいと思っていることが顕著です。仮にいったんは新天地を求めて就職をしたとしても、数年後には地元の企業に転職して戻ってくるというパターンもよく見られます。

こうした傾向は、なぜでしょうか?

最近の若者は内向きで・・・という指摘は聞き飽きるほど言われていることですが、問題の本質はそれだけではないと思います。私がそこで強く影響を及ぼしていると感じるのは、親御さんです。
親御さんとしては自分たちが年老いていくのに息子や娘が離れたところに行ってしまうことに不安を感じるもので、それなら「無理に地元を離れなくてもいいのでは?」となるわけです。
最近はこうした親御さんの意向によって就職先を決める人が少なくなく、それなら地元でいいかと思う人が多くなった結果が、昨今の地元志向ではないでしょうか。
というのも、磯一グループに限らず飲食業界の採用活動でも本人が入社の意向を持っているのに親御さんの反対で話が白紙になってしまったということも現実にあります。
それだけ親御さんに従順になっているのか、自分で考えたり切り開いていくのが面倒に感じるのか、そのあたりの理由は分かりませんが、これは明らかに見えている傾向です。

また、ワークライフバランス重視というのも最近の就職戦線で見られる強い傾向です。

これはなにかといいますと、仕事と私生活のバランスを保ちながら働くということです。女性の場合は産休や育児休暇という制度になって明文化されていますが、男性の場合も育児休暇を取得する人や、その他の理由などで仕事以外の時間も大切にしたいと考える人が多くなっています。
これだけを見ると、「最近の若い者は働きたくないのか」と考える人も出てくると思いますが、実際はそうではありません。私が日々接している若い人たちを見ても、決して働きたくないと思っているわけではないのです。
自分が働くのは何のためなのかという理由がほしいのであり、仮にそれが家庭を守るということであれば、家庭で過ごす時間もしっかり確保できないと働く意味がないというわけです。

これって日本では新しい価値観に思えるかも知れませんが、欧米では当たり前のようにされてきた価値観です。それに日本も近くなってきたのかという気もしますが、欧米の場合はワークライフバランスに明確な責任や義務が伴います。
「やることやっているのであれば、自分の時間は好きなように使ってください」という価値観なので、そこを履き違えると「ただのサボり」になってしまいます(笑)
これからもこの傾向は続くでしょうし、ちゃんと機能すれば仕事の生産性も高くなると思うので、磯一グループとしてもそういった働き方を尊重できるような仕組みを作っていければと思っています。

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