依然として外食業界ではチョイ呑みブームと呼ばれる、低価格で気軽にちょっと飲むという楽しみ方が大流行中です。
このチョイ呑み、特に今に始まったことではなく、以前から居酒屋のサービスとして商品を設定しているところも少なくありませんでした。それを最近は大手チェーン、しかも居酒屋ではないチェーンまでもが乗り出しているところにブームの特徴があります。
以前に当ブログで牛丼の吉野屋がチョイ呑みサービスを始めたことをご紹介しましたが、今回は同じように格安路線で拡大を続けるラーメンチェーン、日高屋です。
日高屋というと、あまり関西には馴染みがないのですが、埼玉県に本社のあるラーメン店チェーンで、主に関東地方を中心にたくさんの店舗があります。
200円台の低価格ラーメンで有名ですが、ラーメン店というと他にも餃子や中華系のメニューを揃えているところが多いので、日高屋もそれに近い業態です。
特徴なのは、それらのメニュー全てが100円台からとかなり安いことです。
何でも日高屋の創業者である神田会長は、「吉野屋とマックの間に出展するのが一番儲かる」という考えをお持ちだそうで、確かに両者ともに似た顧客層をターゲットとしているので、そこに割って入るのは得策かも知れません。しかも、吉野屋は最近でこそチョイ呑みを一部の店舗で始めていますが、マクドナルドはお酒と無縁の業態です。
そういう意味ではとてもうまいマーケティングだと思います。
マクド以上、大手居酒屋チェーン未満というところでしょうか。
普通、このようなチョイ呑みというと「会社帰りにちょっと一杯」をイメージされる方が多いと思います。
私も、それが普通だと思っていました。
しかし、元から呑むのが好きな人はチョイ呑みだけでは終わらず、気付けばはしご酒…というのがありがちなパターンだと思っていました(笑)
この日高屋はこうした顧客層だけでなく、すでにたらふく呑んだ人もターゲットにしていて、そんな人が「最後にもう一杯」と立ち寄ってもらえる店づくりも意識しているそうです。
これは、ちょっと新しい発想だと思います。
従来であればラーメン店などがその役割を担っていたように思いますが、日高屋は低価格路線というユニーク性があるので、新たな市場を開拓しているように見えます。
磯一グループとは基本的に料理の方向性からコンセプトまでまるで異なるので、同じ外食業界とは言ってもほとんどバッティングはありませんが、「最後にもう一杯」というコンセプトについては、もしかすると磯一グループでお食事をしたお客様が最後に立ち寄るということは有り得るかも知れませんね。
何でも安くすることだけが良いことだとは思いませんが、新たな市場を開拓するというチャレンジ精神が成功しているのは喜ばしいことだと思います。