ここまで出来て、プロの寿司職人!

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こんにちは、中野です。
私は寿司職人としてこの世界をスタートさせたので、今も寿司職人の目線で色々なものを見てしまうクセがあります。
先日そんな話をある人にしたところ、とても感銘を受けたという反応が返ってきたので、一般の人が聞くとそんな感じなのかと思ったことがあります。

寿司職人の仕事は、寿司を握ること・・・。
だけではありません。
もちろんそれが一番の仕事ですが、最終的な目的はそのお店に入ってきたお客さんに美味しいと思ってもらって、快適で楽しい時間を過ごしてもらうことです。
美味しいお寿司や料理は、そのためのいちアイテムでしかありません。

私が寿司職人として働いていた時に、特に気を配っていたことがあります。
それは、ガリと呼ばれる生姜とアガリと呼ばれるお茶の状態です。
お寿司が好きな人は、このガリを口の中をリセットするために食べます。脂の多いネタを食べた後でガリを一口食べて口の中をスッキリさせて、違うネタを食べます。
こうすることで毎回食べるネタを、一番美味しい状態で楽しむことができます。
アガリについても同様で、寿司ネタと寿司ネタの間に軽く一口飲むことで口の中をスッキリとリセットさせてくれます。

つまり、お寿司を食べているお客さんにとって大切なこの2つのアイテムを切らさないように目を配ることがとても重要です。

ガリは見えるところで減っていくのが分かるので、なくなってくれば補充すればOKです。
問題は、アガリのほうです。何せ湯飲み茶碗は透明のグラスと違って、中身がどれだけあるのか分かりません。
そこで私が学んだのは、湯飲みの角度です。残りのお茶が少なくなってきていたら、お客さんがお茶を飲む時の角度がどんどん傾いて、最後のほうは湯飲みが逆さまになるほどの角度になります。
プロの寿司職人は、この角度でお茶の残りを推測して無くなりそうだと思ったら次の新しいものをお出しします。

常にお客さんがどんな状況で食事をされているのかを把握するというのは、プロとしてとても大切なことだと思います。
このお話を興味深く聞いてくれた人にとって、こういうところが本当のプロっぽい部分だということなので、ブログの記事にさせてもらいました。

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