「食べスマホ」にご用心

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食べスマホ

こんにちは、中野です。
いよいよ春が近づいてきました。南の地方からは春のニュースが届くようになり、大阪にもまもなく暖かい季節がやってくることでしょう。
歳のせいか、年々寒いのが辛く感じるので、春の訪れを待ち遠しく感じます。

先日、アメリカのある研究チームが面白い論文を発表しました。
正確な論文名は忘れてしまったのですが、スマホと食事に関するものです。簡単に言うと、スマホを触りながら食事をするとどうなるかという影響を調べたものです。
スマホについては中毒性があると指摘されて久しく、スマホの画面を見ながら歩く「歩きスマホ」が交通事故の原因にもなっていることが問題になっています。
信じられない話ですが、歩きスマホをしていた人が駅のホームから転落する事故が続出しているそうです。もはや、漫画の世界です。

歩いている間もスマホを手放せない人がこれだけいるということは、食事中もスマホが手放せないという人が増えても不思議ではありません。
本当かなと思って吉野家やラーメン店など、1人で食事をすることの多い飲食店の中を観察してみると・・・確かに、スマホの画面を見ながら食事をしている人がとても多いことに気づきます。
1人での食事は話し相手がおらず退屈なので、まだ理解できる部分はあるのですが、すごいと思うのは複数の人で食事に入ったところで全員が黙ってスマホの画面とにらめっこをしている光景です。
さすがに磯一グループの各店に来られるお客様にはあまり見られない光景なのですが、ファストフードや安さを売りにしている居酒屋など、若い人が集まるお店ではよく見られるそうです。

食事というのは、食べ物の味や食感を楽しむ機会です。
人間は本来、味覚から食べ物の安全性を確認する能力を持っています。変な臭い、変な味がする食べ物は腐っていたり、食べるのに適していないと判断して体を守ります。
しかし、スマホなど他のことに集中しているとこの感覚が鈍くなってしまい、仮に傷んだ食べ物であっても気づかず食べてしまう恐れがあるそうです。
そこまで人間の集中力を奪うだけのスマホにはどれだけの引力があるのかと思ってしまいますが、日本全国、いえ世界各地で起きている現実です。

私も飲食店を営む一員として、やはりお出しした食事はしっかりと味わっていただきたいという思いがあります。
もちろん安心して食べていただくことは一向に構わないのですが、もし味がお口に合わなければ、そのような反応も大切なお客様の声だと思っています。
スマホに夢中になるあまり、美味しいか不味いかということにすら気づかないというのは、料理をお出ししている現場のスタッフにとっても少々寂しいことだろうなと思う論文でした。

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