スパルタ教育で人は伸びるか

こんにちは、中野です。

連日暑い日が続いていますが、皆さん熱中症などはくれぐれもご注意ください。
磯一グループ各店は空調ばっちり、よく冷えたビールをご用意してお待ちしておりますので、皆さまのご来店をお待ちしております!

さて、今回は人を育てる方法についての考察です。

最近あまり聞かれなくなりましたが、スパルタ教育という手法があります。
語源は古代ギリシャで行われていた過酷な教育手法のことだそうで、現代のスパルタ教育にも、同じような意味があります。優しく指導するというより、強権的に厳しく物事を教え込んでいくという考え方です。
最近の若い人には、こういうスパルタ教育は向いていないとよく言われます。会社の研修でも厳しいことをするとすぐに辞めてしまうというのも、今や常識になっています。

私は、現在のような風潮になる前からスパルタ教育にはほとんど効果がないと思ってきました。その思いは磯一グループでの社員教育にも反映しているので、厳しく強権的に教育をしたところで人が育つとは到底思えません。
もちろん食べ物を扱う現場なので、面白いことばかりではありません。安全上問題のあることをしている人には、それをしっかり理解してもらうために厳しさを前面に出す必要もあるでしょう。しかしそこには、その指導の中に相手を思いやる気持ちが込められていなければ伝わらないと思っています。
刃物の扱い方が危ないと思って指導をするのは、その人が怪我をしないためです。接客などで問題点がある時に指導をするのは、その人がお客様からお叱りを受けないためです。どれもその人が安全に成長していくために必要なもので、後になってから「あのときに言ってくれたことが生きている」と本人が感じられるようなものでなければなりません。
それが伝わったときに人は指導の本質に気づき、自分の頭で考えて成長していくのです。人が成長していくには、地道ですがこれしかないと思っています。

スパルタ教育は、その場その場をしのいでいくには効果的な方法かも知れません。強権的に教えていくので、指導される人は怒られないために物事を身につけていきますが、それが何のためのものなのか本質を理解していないので、「キツかった」「しんどかった」という感覚だけが残り、肝心なことは身についていないということがほとんどです。
それだと意味がありませんし、それでキツいと感じた人が辞めて職場を離れてしまったら、せっかくのキャリアアップも「ふりだしに戻る」になってしまいます。そんな誰もトクしないことを、磯一グループはやりません。

磯一グループから巣立ち、自分のお店を持っている元社員がたくさんいます。その人たちが口々に語るのは、磯一グループで身につけたことが今の立場になって生きているというものです。こう言ってもらえることが、私としては一番嬉しい瞬間です。

人が育つということは、会社として一番の財産が作られていくということなのです。

熱中症と学生スポーツの問題について

こんにちは、中野です。

それにしても暑い日が続いていますね、ここまで来ると暑さは災害の一種だという指摘がありますが、まさにその通りだと思います。
普通に「暑い」というだけでは済まされないというのは、もはや人間の何らかの知恵がないと命が危険にさらされてしまうということなのですから、怖い時代になったものです。
これだけの暑さが続いていること、あることが問題になっています。

それは、高校野球開催の是非です。

夏の甲子園とも呼ばれる高校野球の全国大会は、8月の一番暑い時期に開催されます。しかも全国各地の球場がどんどんドーム球場化している中で、いまや珍しくなった青天球場である甲子園球場が舞台です。
白球・熱闘・光る汗というのは高校野球を形容する言葉として長らく使われてきましたが、これだけ暑いと、高校球児やスタンドで応援をしている学生たちの体が心配なるというわけです。
中には極論もあって、「もう夏の甲子園は開催しなくてもよいのではないか」という声まで飛び出すほどです。

これについて、私は思うところがあります。

確かに、これだけ暑いと甲子園球場といえども例外ではなく、そこで試合をしている人たちの健康状態が心配になるのは事実です。かなり綿密に対策をしないと、本当に何か起きてしまう可能性もあります。
しかし、高校野球に限らず学生スポーツと熱中症の問題がもっと重要になるのは試合よりも、練習です。甲子園球場で試合をしているのはせいぜい3時間程度ですが、練習は1日8時間というところも少なくなく、それが毎日続きます。それが夏であっても同じなので、試合よりも注意するべきは練習なのです。
逆に考えると、それだけの練習をしてこられた選手たちが、3時間程度の試合で倒れてしまう可能性は低いかも知れません。
当の高校球児たちに聞くと、これまで甲子園に出場することを夢見て少年野球から汗を流してきたのですから、それが「暑いからもうやめます」と言われて納得するでしょうか。
今時の高校野球は、強豪校などを中心にその後のプロ野球選手としてのキャリアを想定した選手の育成をしているところがたくさんあります。
その後のキャリアも考えてこれまで努力をしてきた人たちにとって重要なアピールの場を、野球や選手たちの気持ちをよく知らない人が勝手に「危ないからやめろ」というのは極論だと思います。
特に野球の試合は、自軍が攻撃中はベンチで休むことができます。そこにエアコンや扇風機など冷却装置を充実させてクールダウンをして、守備につく時には十分な水分補給をすることを義務付けるなど、できることはたくさんあるはずです。

この暑さがさらにひどくなるようであれば、甲子園球場のドーム化を検討する声もあるそうです。少々高校野球の雰囲気は変わってしまうかも知れませんが、それが選手や応援団の健康を守るためであれば、どんどんやるべきです。
子供が怪我をするから公園から遊具をなくす、事故の恐れがあるからイベントを中止するということが続いています。高校野球まで「暑いからやめます」というのでは、あまりに知恵がないと思うのです。

こういう時こそ大人が知恵を絞って、高校球児たちが安全に夢を追いかけることができる世の中にしたいものです。

事務員さんが不要になる?RPAって何だ?

こんにちは、中野です。
いよいよ夏らしい日が増えてきました、このままどんどん夏らしくなっていくのはビールの売り上げに貢献するのでありがたいですが、熱中症で人が倒れるほどの暑さは勘弁してほしいものです。

最近は人手不足の長期化によって、「人」以外の選択肢で問題を解決しようという動きが顕著になっています。
このブログでもロボットが接客をする飲食店の話などをしていますが、こうした動きは人手不足に悩む飲食業界全体の関心事だと思います。
今回私が気になっているのは、飲食業界ではなくオフィスワークの世界の話です。オフィスワークの世界でも人手不足が慢性化している会社が多く、それをどうにかできないかという課題があちこちから聞こえてきます。

そこで注目されているのが、AI(人工知能)です。
すでにAIは色々な分野で活用されていて、人間の代わりに仕事をしてくれる存在としてみなされているわけですが、それをオフィスワークの世界に導入しようという技術があります。その技術を、RPAといいます。
このRPAとはRobotic Process Automationの略で、ロボットによる業務自動化というような意味合いです。これまでにも事務作業を自動化する仕組みはたくさんありました。表計算ソフトで使うマクロ機能など、その典型例です。
単純なルーティンワークであればすでに自動化されているわけですが、このRPAが自動化しようとしているのは、これまで人間でないと無理とされてきた業務です。
オフィスの風景を思い浮かべると、それぞれの社員のデスクにはパソコンが置かれていて、社員はそのパソコンを使って仕事をします。RPAは、そのパソコン操作すらコンピューターが行うというイメージです。

RPAは、経営者にとっては多大なメリットがあります。
ロボットなので24時間こき使っても問題になりませんし、文句も言いません。また、人間と違って意に反することはしないでしょうし、コストも人件費と比べると格安です。
このようなメリットが注目されて、RPAはどんどん業務の範囲を拡大しています。しかも恐ろしいことに、AIがベースになっている技術なので、仕事をさせればさせるほど学習をして賢くなり、できる仕事が増えていくのだそうです。
何だか、私たちが子供のころに見たSF映画の世界のようです。いつか人間がコンピューターに支配されるのでは・・・なんて妄想もしてしまうような進歩ぶりです。

実際にそんな時代が来るかどうかは別として、もっと大きな問題が目の前にあります。

それは、人余りです。

今は超売り手市場の就職戦線なので、求職者は自分の職場を選びやすい状況です。あまり選ばなければほぼ間違いなくどこかの職場には就職できます。売り手市場なので、求職者が就職先を選ぶことができます。
この傾向は少子化が進行することを考えると、この先も続くでしょう。しかし、それはこれまで通り多くの職場で人を必要としていれば、の話です。

先ほどからお話をしているRPAがもっと普及してくると、今ほど求人数は多くならなくなるでしょう。そもそも人手不足を解消するための技術なのですから、それが進歩すれば人手不足は本当に解消されていくはずです。
少子化が進んでいく一方で、求人も減っていく時代。少子化の時代を生きている若い人たちは、あまり競争にさらされた経験がありません。大学全入時代といわれるように、大学受験も選ばなければどこかの大学に入れる時代です。
このように競争にあまりさらされたことがない人たちが、いざ就職をしようとした時に人工知能や自動化ロボットと就職先のイスを争うことになる未来が、もうすぐそこまで来ています。

そうなった時に求められるのは、人工知能やロボットにはできない人間ならではの仕事です。その時代に向けて、必要な能力を認識してそれを高めようとしている人や教育現場がどれだけあるのかと思うと、少々心配になってくる今日この頃です。

人が注文を取らない、香港のマクド

こんにちは、中野です。
前回はRPAによる事務作業の自動化がもたらす未来について語ってみましたが、今回はその飲食業界版です。
実際にその現場を目撃してきた人の話を交えて、未来を展望してみたいと思います。

世界中に店舗があるファストフードチェーンのマクドナルド。
それぞれの国の特徴はあるものの、世界中どこに行っても、あのロゴマークを見ることができます。そして食べられるメニューもおおむね同じで、ハンバーガーを食べたい、コーヒーを飲みたい、ちょっと休憩したいという人たちのニーズに応えて世界を席捲しています。
日本のマクドナルドを想像してみると、そこにはレジカウンターがあって店員がいます。店員に注文を伝えるとそれがカウンター越しに提供され、自分で席に運んで食べるというスタイルです。
これがどこも同じかというと、実はそうではありません。
その違いがよく表れている、香港のマクドナルドはどういうスタイルなのでしょうか。

香港のマクドナルドにも店員はいますが、彼らは出来上がった商品を渡すだけです。
注文は店内に置かれているタッチパネルで行います。タッチパネルを操作して好きなものを選び、注文品がすべて揃った時点で確定ボタンをタッチし、後は電子マネーのカードをかざして支払い完了です。
香港ではMTRという地下鉄で使うオクトパスというカードが普及しており、それがコンビニやマクドナルドといった色々なところで決済に使えるようになっています。関西でいうICOCAカードやPiTaPaカードを使って買い物をするようなイメージです。すでにそういうことが可能になってきていますが、香港ではオクトパスがあればほとんどの決済が完了してしまいます。

この方法には、実にたくさんのメリットがあります。
客自身がタッチパネルで選ぶのでミスがありませんし、仮にミスをしたとしても客自身の注文ミスなので店が責任を取る必要がありません。また、店員が現金を触ることがないので、とても衛生的です。
そしてもっとも大きなメリットが、人件費の大幅削減です。注文を取ることやお金の受け渡しをするという工数がなくなるだけで、かなりの削減効果が見込めるでしょう。スピードアップも期待できるので、時間効率がアップします。
客にとっても店員の前で注文のと違って後ろから急かされるようなプレッシャーもなく(店内にはたくさんの注文端末があるため)、本当にメリットしかない仕組みです。

もはやマクドナルドでは人が注文を取る時代が終わっているということです。
そもそもファストフード店で店員とのコミュニケーションを楽しもうという人はほとんどいないので、自動化されたほうが気楽でいいと感じる人のほうが多いでしょう。
これがすべての業態に波及するかというと、そうではありませんが、人手不足の解消や人件費削減というメリットがある以上、外食産業にもこの流れは確実に波及するでしょう。

そうなった時に残る価値は何かというと、やはり「人」としての価値です。

「あれを食べたい」というだけであれば香港のマクドナルドとまったく同じ仕組みで良いかも知れませんが、「あの人に会いに行きたい」となると、自動化は不可能です。
磯一グループの業態は後者に近いものですが、だからといってこれまで通りでOKと安住してしまうのではなく、常に店の魅力、人の魅力を提供できる居酒屋でありたいと改めて思いました。

サッカー日本代表の堂々とした姿に感動

こんにちは、中野です。
ニッポン惜しかった!
今はもう、この話題抜きには語れないでしょう。
サッカー日本代表チームはあの世界の強豪、ベルギーを相手に堂々と戦いました。

もう誰もがご存知だと思うので言うまでもないことですが、今大会が始まった時の世界ランクは日本が61位です。ハッキリ言って出場国の中で格下だと思われてもおかしくはありません。
ヨーロッパや南米のチームから見れば、それほど怖くない相手だと思われていたことでしょう。

しかし、初戦のコロンビア戦から今回のストーリーが始まりました。英語で番狂わせのことをジャイアントキリングといいますが、日本がアジア勢で初めてコロンビアに勝ったということから、「今回は何か違うぞ」と思わせてくれています。

ポーランド戦では賛否両論が巻き起こる時間稼ぎがあったりでしたが、これも西野監督が言うように「勝ち上がるための戦略」として真っ当なものだと思います。あの試合で日本に必要なことは目の前の試合に勝つことではなく、決勝トーナメントに出ることなのですから。目的のための手段があって、その手段を正確に選んだということです。

それにしてもどうですか、日本選手の戦う姿の美しさ。
そもそもポーランド戦で負けたのに決勝トーナメントに駒を進めることができたのは、イエローカードがセネガルより少なかったからです。それだけフェアプレーに徹するという日本人の侍魂が思わぬ形で日本に味方してくれたと考えるべきでしょう。
その姿は、決勝トーナメントに進んでからも変わりません。世界ランキング3位の強豪ベルギー相手に、しっかりとルールに則った戦いを続けて実力でゴールをもぎとりました。
先制点を取られてからのベルギー選手の狼狽ぶりは明らかでした。「あれ?格下だと思っていた日本が先制?」と誰もが思う中、何かおかしいぞと思いながら2点目を奪われてさらに焦りを見せます。

勝負事は、焦ったり感情的になった者が圧倒的に不利になります。後半20分頃にベルギーは1点を返しましたが、これは一旦焦っていたメンタルをしっかりと立て直して戦略的に動いた結果だと思います。このあたりは、さすが強豪ですね。
そして最後はわずかな差で競り負けてしまいましたが、戦いっぷりだけでなく負けた姿もカッコ良く見えました。世界を相手に堂々と戦う人たちというのは、顔つきまで一流です。
とても残念な結果でしたが、おそらく多くの人はもっと一方的な試合内容を想像していたのではないでしょうか。一時は2点差をつけて「日本勝つのかも?」と思わせる展開もあって、見ている者を大いに盛り上がらせてくれたと思います。

選手たちは悔しいと思いますが、この経験は必ず生きてきます。堂々と胸を張って日本に帰ってきてほしいと思います。

今年の採用戦線で起きていること

こんにちは、中野です。
街を歩いているとリクルートスーツを着た学生と思しき人たちの姿を見ることが多いので、就職活動がたけなわであることが分かります。
磯一グループは人が成長できる会社・職場であることを常に意識しているので、こうした就職活動や採用活動といった人事に関するニュースにはどうしても敏感になってしまいます。
毎年、「今年の就職戦線の傾向は・・・」といった報道がありますが、これを見ていると世相が分かるような気すらします。やはり就職は多くの人にとって人生に大きく影響を及ぼすことだけに、時代を映す鏡だと思うのです。

まず、全体の傾向として強く伝わってくるのが遠方よりも地元という、地元志向です。就職を機に東京や大阪などの大都市に移り住んで、大きく出世する夢を描くといった価値観がありますが、これは今や多くの人にとって昔話となっているようです。
それぞれの地方には有力な国立大学がありますが、この大学を卒業した人の多くが地元の有力企業や役所に勤めたいと考えており、地元を離れて新天地で頑張るといったことに興味を示さなくなってきていることが分かります。
確かに新天地で生活をするとなると生活費もかかりますし、それまで地元で築いてきた人間関係を置いたまま新天地で新たな人間関係を開拓していかなければなりません。
最近の傾向として、こういうことを煩わしいと思っていることが顕著です。仮にいったんは新天地を求めて就職をしたとしても、数年後には地元の企業に転職して戻ってくるというパターンもよく見られます。

こうした傾向は、なぜでしょうか?

最近の若者は内向きで・・・という指摘は聞き飽きるほど言われていることですが、問題の本質はそれだけではないと思います。私がそこで強く影響を及ぼしていると感じるのは、親御さんです。
親御さんとしては自分たちが年老いていくのに息子や娘が離れたところに行ってしまうことに不安を感じるもので、それなら「無理に地元を離れなくてもいいのでは?」となるわけです。
最近はこうした親御さんの意向によって就職先を決める人が少なくなく、それなら地元でいいかと思う人が多くなった結果が、昨今の地元志向ではないでしょうか。
というのも、磯一グループに限らず飲食業界の採用活動でも本人が入社の意向を持っているのに親御さんの反対で話が白紙になってしまったということも現実にあります。
それだけ親御さんに従順になっているのか、自分で考えたり切り開いていくのが面倒に感じるのか、そのあたりの理由は分かりませんが、これは明らかに見えている傾向です。

また、ワークライフバランス重視というのも最近の就職戦線で見られる強い傾向です。

これはなにかといいますと、仕事と私生活のバランスを保ちながら働くということです。女性の場合は産休や育児休暇という制度になって明文化されていますが、男性の場合も育児休暇を取得する人や、その他の理由などで仕事以外の時間も大切にしたいと考える人が多くなっています。
これだけを見ると、「最近の若い者は働きたくないのか」と考える人も出てくると思いますが、実際はそうではありません。私が日々接している若い人たちを見ても、決して働きたくないと思っているわけではないのです。
自分が働くのは何のためなのかという理由がほしいのであり、仮にそれが家庭を守るということであれば、家庭で過ごす時間もしっかり確保できないと働く意味がないというわけです。

これって日本では新しい価値観に思えるかも知れませんが、欧米では当たり前のようにされてきた価値観です。それに日本も近くなってきたのかという気もしますが、欧米の場合はワークライフバランスに明確な責任や義務が伴います。
「やることやっているのであれば、自分の時間は好きなように使ってください」という価値観なので、そこを履き違えると「ただのサボり」になってしまいます(笑)
これからもこの傾向は続くでしょうし、ちゃんと機能すれば仕事の生産性も高くなると思うので、磯一グループとしてもそういった働き方を尊重できるような仕組みを作っていければと思っています。

居酒屋業界のインフルエンサー、KENICHIさんの世界 後編

こんにちは、中野です。
前回に続いて、Youtuberにして居酒屋業界のインフルエンサーとなったKENICHIさんについてのお話をしたいと思います。
この話が何のことが分からないという方は、前編からどうぞお読みください

Youtubeで10万人以上のファンを集め、投稿する動画が影響力を持つようになったKENICHIさんは、今やインフルエンサーです。インフルエンサーとは特定の分野での有名人や発言が影響力を持っているような人のことです。ファッション業界にはたくさんのインフルエンサーがいて、彼らの発言や着こなしによってファッションの流行が生まれたりしています。KENICHIさんは、居酒屋業界のインフルエンサーとなったわけで、そんなKENICHIさんには飲食業界から熱い視線が注がれるようになります。

分かりやすい事例としては、磯一グループも出展したことがある食のイベント「フードソニック」への出演です。
あちこちの飲み屋を巡り、おいしいものをよく知っている人というイメージがネット上で拡散しているので、その知名度を買われて食のイベントから出演オファーが来たというわけです。
こういう形でグルメ系の有名人が誕生するというのは、これまでになかった流れです。いわゆるグルメライターや食レポタレントいった存在は昔からいますが、Youtubeで自分の動画が人気を集め、それが影響力を及ぼす時代になったのです。

さて、このKENICHIさんはもうひとつ面白い活動をしています。それは、週末の生中継です。KENICHIさんには奥さんがいて以前から一緒に飲み歩きをしていることがありましたが、この生中継では自宅(?)にスタジオを設けてそこで夫婦と視聴者の飲み会をしています。
これはどういうことかといいますと、KENICHIさん夫婦が2人でお酒を飲み、おつまみを作りながら飲み食いをしている様子をYoutubeで生放送して、そこに視聴者がコメントを入れます。そのコメントにKENICHIさん夫婦が反応をして会話に参加してくれるので、視聴者も一緒に飲んでいるような気分になれるというわけです。

人間関係が希薄になり、職場で飲みに行く人間関係が少なくなったといわれる昨今ですが、家で一人で飲んでいても退屈でしょうし、寂しいと感じる人もいるでしょう。そんな人にとって、KENICH夫妻の生放送飲み会に参加するというのは、こうしたニーズに応えているように感じます。
また、本当に飲みに行くとなると億劫で面倒に感じる人だったとしても、自分はコメントを発するだけで参加できる手軽さがあるのも、メリットなのかも知れません。参加したくなければコメントを発することなく、ただ生放送を見ていれば良いのですから。

インターネットが生み出した、新しい飲み会の形。

これが良いか悪いかということは別として、新しい価値観として成立していることは間違いありません。
こういう形の飲み会が増えてしまうと居酒屋は商売あがったりですが、こうした動きがあることをしっかり踏まえて時代の流れに乗っていける準備をしておくことは大切だと思いました。

居酒屋業界のインフルエンサー、KENICHIさんの世界 前編

こんにちは、中野です。

今年はいつもより早い入梅ということもあって、飲食業界は客足に影響が出ることが気になる季節となりました。
やはり私自身のことを考えても雨が降っている日よりもそうでない日のほうが外に飲みに行こうかという気分にもなるので、それは当然だと思います。

さて、今回お話したいのは、Youtubeで人気を集めている「居酒屋インフルエンサー」のKENICHIさんについてです。

Youtubeで人気ってどういうこと?

インフエンサーってなに?

といったことの説明もかねてがっつりとお話をしたいと思いますので、前編と後編に分けます。
前編はまず、このKENICHIさんがどんな人なのか、インフルエンサーとは何かといったあたりのお話をしたいと思います。

このKENICHIさんは、KENICHIとかいて「ケニチ」と読みます。
動画投稿サイトのYoutubeに動画を上げて、その動画が人気を集めているYoutuber(ユーチューバー)の一人です。
Youtuberは視聴者が興味を持ちそうなテーマを動画にしてそれを投稿することで人気によって収入が得られるという新しい職業です。すでに多数のYoutuberが有名になっていますが、このKENICHIさんがテーマとしているのは居酒屋です。
いえ、もうちょっと厳密にいうとお酒を飲める店やお酒のある場所です。

特にこのKENICHIさんが得意としているのは「せんべろ」シリーズです。せんべろとは千円でベロベロの略で、要するに激安価格でしっかり楽しめる飲み屋や飲み方のことです。もともとは沖縄で生まれた言葉ですが、千円でしっかり飲めて楽しめるのであればということで大阪でも人気となっています。
吉野家など本来お酒とあまり縁がなかったような外食チェーンが「ちょい飲み」を展開しているのも、こうしたせんべろ人気の影響です。

さて、このKENICHIさんは大阪の西成や新世界といった、元から安く飲める街を強みとしてそういうところの店に行って動画を撮り、おいしそうに食事をしたりお酒を飲むシーンを撮影した動画を投稿しています。
新世界はともかく、西成となると大阪のディープゾーンと呼ばれる街なので、自分が行くとなると尻込みしてしまう人もいるでしょう。そんな人にとって、KENICHIさんの動画は自分が行ったような気分になれますし、自分も行ってみたいと思った場合の道先案内になります。
かくしてKENICHIさんの動画は人気を集め、すでに10万人以上のチャンネル登録者数を誇ります。これはYoutubeの世界で立派な数字で、Youtuberが職業として成り立つ数字だと思います。

テレビ番組で飲み屋めぐりをするような企画はこれまでにもありましたが、Youtubeの面白いところは放送コードがないのでありのままを伝えられることや、視聴者がKENICHIさんが出没しそうな店にいくと本当に会えるといったあたりでしょう。

KENICHIさんはその後も活動の幅を広げ、大阪各地のせんべろ飲み屋を巡ったり、大阪以外の街や日本以外の国へも足を運んでは飲み屋めぐりをレポートしています。
こうした活動がネット上で話題となり、ついにはKENICHIさん自身がインフルエンサーとしての実力を持つようになりました。

インフルエンサーってなに?それはなにがすごいの?

といった疑問へのお答えは、後編で。

東京チカラめしという牛丼チェーンが示しているもの

こんにちは、中野です。

ここ最近は人出不足、人材不足が企業にとって大きな課題になりつつあります。

新しく事業を拡大しようにも人がいないという声は飲食業界でも当たり前のように聞かれますので、磯一グループも決して他人事ではありません。

そんな外食産業と人の問題について、ある外食チェーンに象徴的な出来事が起きました。

その外食チェーンとは、「東京チカラめし」という牛丼屋さんです。大阪にいくつか店舗があるので、見たことや食べたことがあるという方もおられると思います。

しかしこの東京チカラめし、一時期はどんどん店舗が拡大していたのに、最近は見かけなくなったという印象をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

それもそのはず、急拡大路線を突き進んでいた東京チカラめしはその後失速してしまい、現在は店舗を縮小中です。

いったい、東京チカラめしに何が起きたのでしょうか。その答えとなるのが、「人」の問題です。急拡大したせいで人材の育成が追いついておらず、店舗によってサービスにばらつきが生じてしまい、お客さんを減らしてしまったのです。

ここで注目したいのは、外食チェーンなのに食べ物の味や質、さらには食中毒などの不祥事が理由ではないということです。人の質と量を確保できなかったために、せっかく拡大した店舗網を縮小せざるを得なくなってしまったわけです。これはとてももったいないと思ってしまいますが、実は外食産業の本質的な問題でもあります。

「人さえいればうまくいった」と言ってしまうのは簡単ですが、その「人」を質・量ともに確保することがどれだけ難しいかは、飲食業を営んでいる方であれば痛いほど理解されているはずです。

東京チカラめしが店舗の縮小を余儀なくされたのは、「人がいなかっただけ」なのではなく、「人を育てることができなかった」という致命的な理由があったということです。

これとよく比較されるのが、大手牛丼チェーン各社です。吉野家やすき家などのお店に入ると、最近は外国人の店員がとても多いことに気づきます。中国やベトナム、さらにはインドなど国もさまざま。

言葉の問題も何のその、彼らはちゃんと店を回しています。

なぜこんなことができているのかというと、そこには店舗運営のオペレーションがあります。業務がしっかりマニュアル化されており、サービスの品質管理が徹底されているので、誰がやっても、どこの店舗であっても、同じサービスを提供できるのです。この両チェーンは今も店舗網を拡大していますが、それによってサービスの質が低下したという話は聞きません。オペレーションの確立により、十分な質と量を確保できているからです。

日本語が不慣れな人も少なからずいますが、それでもクレームにならないのは、お客さんにとって必要なことはちゃんとやってくれているからです。

これから外食産業はさらに人手不足が深刻になると思われます。そんな時代に必要なのは、人の育成と人の使い方だということですね。

居酒屋の一人負けが続いています

こんにちは、中野です。

暑くなったり寒くなったりと極端な天候が続いたかと思ったら、いよいよ夏が近づいていることを思わせる暑さを感じるようになってきました。

ビールがおいしい季節に本格突入するというのは、居酒屋にとってとてもありがたいことでもあります。

さて、そんな居酒屋ですが、外食産業の中では厳しい状況に置かれていることをご存知でしょうか。さまざまな市場調査の結果のどれを見ても、居酒屋の「一人負け」が続いています。一人負けというのは、外食産業が店舗数や売り上げを伸ばしているにもかかわらず、居酒屋だけが店舗数を減らしているという事実のことです。

景気が良くなってくるにつれて、外食産業全体は売り上げを伸ばしています。特に顕著なのはファストフードやファミリーレストランなどで、一時期の低価格路線の行き過ぎや来客数の低迷があった頃と比べると、ずいぶん良くなったように感じます。

そんな状況なので居酒屋も伸びて・・・と言いたいところなのですが、居酒屋だけは店舗数が減っているわけです。

磯一グループは店舗数を減らすことなく、おかげさまで順調にやらせてもらっていますが、大手の居酒屋チェーンや個人経営の居酒屋などが特に厳しい状況にあるようです。

これはなぜでしょうか、いくつかの理由が考えられます。

まずは、若い人を中心に進んでいる酒離れ。お酒をまったく飲まない人は仕方ないとして、お酒を飲む人であっても居酒屋やスナックなどに足が向く人が減っているのは事実です。

夜のお付き合いを露骨に嫌がる人が増えたというのも、ご時勢なんでしょうね。

ここから先は、あまり一般の方は注目しない視点です。酒は行き過ぎた安売りが国から問題視され、それを規制する動きがあります。そうでないと酒の卸売りが苦しくなるばかりなので、それを是正しようというわけです。これは意外に飲食業に影響を及ぼしており、仕入原価が上がったことは小規模な個人経営の居酒屋などに大きな影響が出ています。お酒の価格が上がると、家で飲む人が増えるという構図は続いています。

こうしたことを考えると、やはり居酒屋という事業はお酒を提供するだけの場所ではないことを改めて実感します。居「酒」屋というくらいなのでお酒メインではあるのですが、最近はお酒をまったく飲まない人も多くなっており、磯一グループ各店にもそんなお客様がお越しになることも多くなりました。

お酒を飲まない人であっても楽しめる店作り、お目当てにしてもらえるような料理を用意することが、以前に増して重要になっているわけです。事実、それができている居酒屋はそれほど影響を受けることなくお客さんが来ています。

居酒屋ならどこでもいい、どこでも同じというのではなく、「あの店に行きたい」と思ってもらえるような店作り。これからのキーワードは、まさにこれですね。

磯一グループもそれに該当するコンセプトの居酒屋なので、「磯一グループの店に行きたい」とこれからも思ってもらえるように頑張ります!

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